君に興味なんてない (ページ26)

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もぐもぐと中華料理を頬張っている京本さんを見ながら、なんでごはん一緒に食べてるんだっけ、なんて考える。

自分でも変な返し方をしたな、とは思う。
送った本人がそう思っているのだから、きっと送られた側の人間はもっとそう思っているはず。
…まぁ当の本人は、そんなの気にする様子もなく、料理を頬張ってるわけだけど。

「なに」

そんなことを考えていたら、急に京本さんの視線がこちらに向けられた。
まだ口に食べ物が入っているのだから喋らなきゃいいのに、なんて言わないけど。

「いや、別に…美味しいです？」

「ん、中華欲がめちゃくちゃ満たされてるとこ」

「よかったですね」

「そっちは食べないわけ？ここのやつはどれも美味いよ」

食べないわけじゃないんだけど。

なんかなんというかこの不思議な空気が流れる時間に押され気味というか。
自分の分は自分で払うって思うだけで、だいぶ気楽ではあるけど。

「京本さん、」

「あ」

「はい？」

「"さん"付けやめてよ。友達なんだし。あと、敬語も」

「いやそれは無理ですよ」

「なんでよ。友達同士で敬語使って、名字呼びっておかしいでしょ」

「はぁ、」

「ってことでここからもう"さん"付けと敬語おしまい」

「はい」

「あ、ほら」

「え、！あぁ、えっと、す、、ごめん、大我、くん？」

「ん、それでよし」

どことなく満足気な表情をする京本さん、もとい大我くん。
なんか彼のペースに無理矢理乗せられてしまった気がしないでもないけど。

結局、今日の食事は最後まで大我くんのペースに乗せられたままだったな、なんて店を出て彼の3歩後ろを歩きながら思う。

SixTONESの中にいるとその綺麗な顔面も相俟って小柄に見えるのに、こうして単体で大我くんを見ると立派な成人男性だなって実感する。

いや、成人男性なんだから当たり前ではあるんだけど。なんかちょっとバグるというか。
なんか、変な感じ。

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