君に興味なんてない (ページ13)

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和気藹々とした空気のまま、インタビューへと入る。

あの日以来、彼らの出ている媒体をなんとなくチェックするようになっていたこともあり、この前より彼らの人となりもわかり、インタビューをしていても楽しかった。

相変わらず彼らは、ガヤガヤとしているけれどでも締めるときは締めるし、逆にふざける時は全力でふざける。

よく喋るのはジェシーさんや森本さん、あとは松村さん。
的確にツッコミながら流れを作って行く田中さんや高地さん。
そしてたまに喋って大きな爆弾を落として行く京本さん。

その緩急の付け方は彼ら6人だから出来るのだろうな、と感じるほどだった。

私なんかいらないんじゃないかと思うくらい、どんどんと膨らんで時には脱線をしていく話題。
インタビュアーとしては失格だろうが、私がいなくても色々と成立する気さえしてしまうけれど、それを堪えるように足先に力を込める。

インタビューの時間はあっという間に過ぎ、終了時刻となった。

「ありがとうございました！」

「こちらこそ。またいい記事書いてね～」

「お前、それプレッシャーだよ」

ひらひらと手を振るジェシーさんとそれに苦笑いを浮かべる高地さん。
「頑張りますよ」と返せば「さっすが！」なんて茶化された。

彼らが現場を出て行くのを見送ってから、私も続くように外へ出る。

廊下に出ればすでに彼らの姿はなかった。
ふぅ、と小さく息を吐き、一歩を踏み出す。

これから帰って今の内容を文字起こしして、それからあの校正の直しをして、あ、その前に電話も一本しなきゃだったんだ、なんて頭の中でやることを積み上げていく。

どんどんと積み上がっていく事柄に眩暈がしそう。

ずしん、と重たい体を無理矢理動かし歩き始める。

廊下の真ん中くらいまで来た時だった。

　

「ねぇ」

後ろから声が聞こえ、反射的に振り返る。

振り返った先にいた人物の姿に一瞬息が止まりそうになる感覚がした。

なぜなら、そこにいたのが京本さんだったから。

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