君に興味なんてない (ページ2)

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「いつもの奴らはまぁ迷惑だけど、一通りの線引きは出来てるからいいけど。新参者ならそれらしく振舞ってくんない？」

「だから！なんの話なんですか？」

「は？ストーカーの話だよ、ストーカー！」

意味わかる？って小バカにしたように首を傾げたその男は相変わらず綺麗な顔してて、それが余計に腹立たしい。

「あの、おっしゃってる意味が全くわかりません。私はストーカーでもなんでもないですし。仕事が終わって、あのコンビニで買い物してこれから家に帰るところなんです」

「んな見え透いた嘘誰が信じるかよ」

「信じるも信じないもなにも事実ですし」

「…証拠」

「は？」

「証拠は？」

明らかに苛立った様子のその男に今度は私がため息を吐き出す。

なんで勝手に勘違いしてきた相手に証拠を出せなんて言われなければならないんだろう。

ただでさえ仕事で疲れ切った心身が余計に重たくなっていく。

「私の家はそこの角を右に曲がったところにあるマンションです。階は3階。部屋番号までは言いたくないですけど、言ったほうがよければお教えします」

どうします？と視線をなげかければ、なぜかため息で返された。

「まぁいいや違うなら」

「私は最初から違うって言ってますけど」

「今回は、見逃す。でも次はないから」

「いや、だから」

なんなの、それ。

あくまで私がストーカーという前提は崩すつもりはないらしい。
次はないとか言われても、そもそも今回のすらそっちの勘違いだし。
勝手に許すだなんだとか言われたら、もう腹が立つとかよりも呆れが上回った。

いや、もういいや。
なんか相手にしてるほうが馬鹿らしいし。

呆れた表情を男のほうに向ければ、同じく呆れてるのかなんなのかなんとも言えない表情をした男がこちらを見ていた。

小さく頭を下げ、男の横をすり抜け家へと帰る。

ボスっと飛び込んだベッド。

疲労感が全力で体にのし掛かってくる。
なんだったんだろ、ほんと。

もうお酒なんか飲む気分にもならない。
モヤモヤを抱えたまま、シーツの海に顔を埋めた。

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