19:意外と ページ19
なんてことを考えていたら京本がコーヒーを手に戻って来た。
ほら、と手渡されたのはカフェオレ。
なんだかんだで私の話ちゃんと聞いてくれてるんだよな、京本って。
カフェオレを飲みながらふふって笑ったら「キモい」って言われたから、やっぱり前言撤回。
「ほいほい男についてくのやめなよ」
「だから別にほいほいついてったわけじゃ、!」
語弊があり過ぎるよ、京本。
前のデスクの阿部くんの目が泳いでるじゃん。
「お前、意外とかわいいんだからさ、」
「…は?」
かわいい。カワイイ?
「え、京本、私のことそういう目で、?え、?」
「ちげぇーよ!それなりに、だからな!!一応女なんだから気をつけろよってことだから!」
自惚れんなバーカ、まで言われましたけど。私。なんか腹立つな。
っていうか、自惚れてないし。京本がそう言ったんじゃん。
いや、っていうかそもそもそんな取り乱さなくでよくない?そんな慌てて否定されるとなんかちょっと傷つくんですけど。
「京本、A、仕事しろー」
ごほんって咳払いをした部長が堪らず声を上げる。
すいませーんって2人で謝ると、阿部くんがふふって笑う。
「阿部くんに笑われた…もう生きていけない」
「大丈夫、阿部くんの眼中にAは一切ないから」
「多少はありますぅーねぇ阿部くん?」
「…俺を巻き込まないでもらっていいですか?」
そんな私たちにまた部長がひとつ咳払い。しかもさっきよりだいぶデカめなやつ。
いい加減にしろって視線もおまけに向けられたので、そろそろちゃんと仕事しなければ。
京本からもらったカフェオレを一口飲むと、よし、と小さく気合を入れた。
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作者名:もえぎ | 作成日時:2021年9月15日 22時