53-2人の夜 ページ8
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ホテルに戻り、一旦私は予約した部屋で荷物の整理をした。それが済んだら必要なものだけを持って、悟の部屋に行った。もう結構な時間だ。妙に静かな悟に「私先にお風呂入っていい？」と尋ねると、こっちを見ないまま「ん」と返事をくれた。
比較的手早くお風呂を済ませてホテルが用意してくれてたナイトウェアに身を包む。仕上げにすっぴん風のメイクを少しだけ施して、濡れた髪から雫が落ちないように肩にタオルを掛けて浴室を出た。
ベットに腰掛けて俯いている悟に「悟、お風呂どうぞ」と呼び掛けると、肩がピクッと小さく跳ねた。
「……ん、」
「アメニティのシャンプー結構良いやつだったよ！おかげで髪がいつもよりサラサラになりそう」
「へぇ」
「あ、髪乾かしたいからこっちのドレッサー借りるね」
「どーぞ」
「……ねぇ悟」
「ん？」
「緊張してる？」
「別に」
即答で否定されたが、悟とは一向に目が合わないのが良い証拠。悟のことだ、経験が無いってわけではないんだろうけど。それでも目が合わなくて口数も少ないこの態度、緊張しているとしか思えない……。
ふむ、とぽりぽり頭をかき、場を和ませようと口を開く。
「悟って初めて？」
「んなわけねーだろ！」
悟はムッとした表情で言い返した。
あ、やっと目が合った。よし大成功、と頬が緩む。
「だよねぇ」
「Aだってそうだろ」
「まぁ。でも、初めてみたいなもんだよ」
「は、」
「割と長年彼氏いなかったし」
「……ワンナイトとか」
「ないない。私そーいうのできる性格じゃないもん」
淡い興奮を写し取ったみたいに頬を赤く染める悟の喉仏がごく、と動く。私の一挙一動であたふたする悟が可愛くて堪らない。
ワンナイトとかまあ、全くしたことないかと言えば嘘になるけど。言わなくていいこともある。必要な嘘もある。
隣に座って口角を上げ「だから色々教えてよ、悟センパイ？」と顔を覗き込めば、色白の肌が分かりやすく桃色に侵食されていく。
悟は戸惑ったように瞳を揺らした後、いつもの余裕たっぷりの笑みをつくった。
「手取り足取り教えてやっから、先生って敬え」
「きゃ！悟先生かっこいい♡」
「だろ？」
最後はふざけて笑い合った後、悟がお風呂に行ってる間に髪の毛を乾かした。
初めて悟と共に過ごす夜と、共に迎える朝。
きっと、この日の記憶はこれから何度も思い出すことになる、大切な日。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 大学生っっっっっっっ！今度は逆のナンパだ、、、、よっ！良い！！！！！！ (4月11日 15時) (
レス) @page50 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです！ (4月11日 13時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - これからもずっと応援してます！ (4月8日 1時) (レス) id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきです、、、、心の中で夢主ちゃんに喋りかけててほんとに大切な存在だったのがわかって泣きました、、、完結おめでとうございます！そしてすばらしい作品を創ってくださりありがとうございます！はむスターさんの書く作品全部大好きです！ (4月8日 1時) (レス) @page49 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - ......じんわりくる! (4月7日 21時) (レス) @page49 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年9月10日 20時
