62-未来は語れない ページ17
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夏は静かに、盛大に深まっていく。
忙しい悟とはあまり頻繁に会えない。いつものようにスタバーで会ったり、レストランで食事をしたりが多い。あとはカラオケに行ったり。連絡は毎日欠かさず取っている。1日2〜3回はラインのやり取りができるし、時間が合えば電話もする。きっと悟が意識して会えない間を繋いでくれてるんだろうなって伝わってくるから。だから、寂しくなんかない。
体調も良い日が続いた。基本薬を飲まなくて平気だし、悪化をしても薬を飲んで眠れば治まって、入院することはなかった。夏休みパワーかもしれない。
友達の就活は段々と終わっていく。私の終活も大詰めに入る。色々な友人に会った。会いたいと思った人には手当たり次第に連絡を取った。次の春から社会人になる友人も、短大や専門を出て社会に出たばかりの友人も、高卒で働いている友人も、皆数年後の夢を語っていた。出世したい、転職したい、早く結婚したい。当たり前のように未来を夢見る友人達は、薄い壁の向こうの遠い存在のように思えた。眩い存在だと、羨ましく思わないと言えば嘘になる。
私も本来ならそっち側にいたはずなのに。
そうして友人達に会って、きちんと別れを告げていく。「じゃあね」と手を振れば、「またね」と振り返してくれる。またねが実現しないことを知っているのは私だけ。
＊
夏休みの折返し頃。この日は悟と傑と硝子と東京近郊の海に遊びに来ていた。悟とちょっと遠出して遊びに来るのは札幌旅行以来だったので、単純にもテンションは上がっていた。
パラソルの下のレジャーシートに座って日焼け止めを塗っていれば、「Aさん、海入らないんですか？」と硝子が隣に座ってくる。硝子は水着を着ているけど、私は白Tに膝丈のズボンだ。
「うん、後で足だけ入ろうかな」
「絶対はしゃいで『あっちの岩まで平泳ぎで競争ね』って言うタイプかと思ってました」
「硝子の中の私って愉快な子だね」
「五条と付き合ってる時点で十分愉快ですよ」
「は？水着じゃねーのかよA」
海の家に行って飲み物を買ってきたらしい悟と傑が戻ってくる。悟は私の前に来るとはぁっと溜息を吐く。
「楽しみにしてたのに」
「それはごめんね？」
「ま、いーや。水着より可愛い姿知ってるし」
「悟、なんか今の発言はおじさんみたいだったよ？」
「失礼だな！グットルッキングガイの間違いだろ」
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 大学生っっっっっっっ！今度は逆のナンパだ、、、、よっ！良い！！！！！！ (4月11日 15時) (
レス) @page50 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです！ (4月11日 13時) (レス) @page50 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - これからもずっと応援してます！ (4月8日 1時) (レス) id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - だいすきです、、、、心の中で夢主ちゃんに喋りかけててほんとに大切な存在だったのがわかって泣きました、、、完結おめでとうございます！そしてすばらしい作品を創ってくださりありがとうございます！はむスターさんの書く作品全部大好きです！ (4月8日 1時) (レス) @page49 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - ......じんわりくる! (4月7日 21時) (レス) @page49 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年9月10日 20時
