93-失恋してもバイトへ ページ44
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凪くんと別れたことになってしまった。
いつかは必ず訪れると思っていた終わりの日。
でも、あまりにも突然すぎて。実感が湧かない。
とてつもなく大きなものを失った傷は、侵食するように刻まれて。
心が空っぽなまま、始業式の日を過ごした。
途中で今朝の騒動を聞きつけてやってきた玲王が教卓に立って、
「俺達のことで間違った噂を流すのはやめろ。俺が勝手にAに片想いしてるだけだから。これ以降妙な発言をする奴がいたら、社会的に潰す」と宣言してくれたおかげで私の二股疑惑は完全に晴れることとなった。玲王の社会的に潰すという脅し文句は現実味がありすぎて怖い。
ただ、別の意味で教室は悲鳴で埋め尽くされていたけど。
「A、玲王様と付き合うの！？」「いやぁ玲王ー！」と好き勝手な発言が飛び交ってお祭り騒ぎの教室の中、ただ1人凪くんだけは机に突っ伏して眠っていた。
部活が終わった後も、いつもみたいに「A、帰ろ」と誘ってくれる凪くんはいなくて。もう本当に恋人役は終わったんだ。私達はただのクラスメイトに戻ったんだって。
……もしもっと早く好意を自覚して伝えていれば、本当の恋人同士になれた未来もあったのかな。
意味のないIFを想像するが、そんなわけないかと妄想を掻き消す。凪くんは、真凜のことが好きなのだから。
別れたことよりも、何よりも「レオとどうなろうと俺には関係ない」と断言されたことが辛かった。
＊
＊
＊
「あ、凛ちゃん。おつかれさま。袋なしでいい？」
「うん」
「了解」
ラスト勤務のバイトをこなしていると、いつもの如く飲み物を持って凛ちゃんがレジにやってきた。無理矢理元気を出して会計を進めていく。
「私、今日でバイト終わりなんだ。だから最後に凛ちゃんに会えてよかった」
「あっそ」
「元気でいてね、健康第一だからね」
「年寄りみてぇな言い草だな」
「む。年寄りじゃないし！でも、凛ちゃんのお姉ちゃん枠は自負してるかな」
「いらねーよ、Aみたいな姉貴」
「ほんとは嬉しいくせに〜」
「うぜぇ」
そして会計が終わってから凛ちゃんが「これも追加で」とレジ付近に置いてあるチョコレートを取った。珍しいな、と思いつつ「はーい」ともう一度会計をする。
「……今日、何時上がり？」
「あと10分くらいかな」
「そ、」
そして飲み物とチョコレートを持って去っていく背中に「ばいばーい」と別れを告げた。
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はむスター(プロフ) - 夜夏さん» 凛くんの強者感が滲み出てますね😂 (2023年2月9日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
夜夏 - 凛ちゃんの『勝った』が、めっっっちゃ好きです…！ (2023年2月8日 22時) (レス) @page46 id: 8f15f4a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - みはさん» ありがとうございます！夢主と同じ気持ちでお読みいただければと思います💪 (2023年2月7日 10時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
みは - ここからどうなるのかドキドキです😭🫶🏻 (2023年2月6日 21時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 咲菜さん» 守るためとはいえ嘘をついて自ら離れていく選択は辛いものがありますね😢長い間お読みくださってるんですね、ありがとうございます！☺️これからもワクワクしながら読んでいただけるよう頑張ります！💪 (2023年2月6日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月20日 17時
