88-関係ない ページ39
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“二股”
そのワードが重くのしかかり、ショックを受ける。
そっかそんな噂流れてたから皆変な目で私のこと見てたのか。玲王といたところだけが誰かに見られるなんて思ってもみなかった。
玲王と真凜は私と凪くんが付き合ってるフリをしているだけだということを知っているけど、当然他の人は知らないわけで。そりゃ、夏祭りなんかで彼氏以外の人と手繋いで歩いてたら浮気してるって思われても仕方がない。
黙り込んでいる私に痺れを切らし、男子が言う。
「おい、なんとか言えよ。ほんとのことだから何も言い返せないのか？」
“本当のこと”を言ったところで信じてもらえるわけがない。凪くんとは恋人のフリをしてるだけでした、と種明かししてもその場を逃れる為の嘘だと思われるだけ。
どうしようとパニックの状態の私の耳に、「Aちゃん浮気してたってこと……？」「凪くんちょっと可哀想」「いくら玲王様とはいえ彼氏持ちに手を出すって……」等と心無いヒソヒソ話が聞こえた。
私のことは悪く言ってもいいけど、他の人を悪く言わないで……！
それだけは言い返そうと口を開きかけた時だった。
____ガラッと開いた扉と共に、少し猫背な長身の彼が入ってきた。クラス中の視線が集まっても、構わず相変わらず眠そうな目をしている。
今度は標的がそっちに移る。私を尋問していた男子が教室の後ろを歩く凪くんに声を掛ける。
「凪、お前浮気されてんぞ」
「……いきなり何」
「夏祭りで間宮が御影玲王と手ぇ繋いでるとこ見た奴がいるんだよ」
凪くんは微かに目を見開く。
その瞳は一瞬だけ悲しげに揺れたような気がして。
しかしすぐに「……あっそ、どーぞご自由に」とリュックを背負い直してさっさと自分の席に座る。男子は慌てたように「おま、彼女に浮気されててどうも思わねぇのかよ！？」と詰め寄る。
凪くんは面倒くさげに彼を一瞥する。
「俺と間宮、とっくに別れてるし。だから間宮がレオとどーなろうと俺には関係ない。んじゃ、おやすみ」
え。
そう言って机に突っ伏してしまった凪くんに、教室中が一気に騒がしくなる。
「別れてたなんてそりゃ言えないよね……」と女子達には同情してもらったが、そんな声は何の慰めにもならなかった。
いつか終わると覚悟はしていた偽物の関係。
でも、前触れなくこんな最悪な形で終わると思っていなかったんだ。
もう、凪くんの隣にはいられない。
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はむスター(プロフ) - 夜夏さん» 凛くんの強者感が滲み出てますね😂 (2023年2月9日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
夜夏 - 凛ちゃんの『勝った』が、めっっっちゃ好きです…！ (2023年2月8日 22時) (レス) @page46 id: 8f15f4a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - みはさん» ありがとうございます！夢主と同じ気持ちでお読みいただければと思います💪 (2023年2月7日 10時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
みは - ここからどうなるのかドキドキです😭🫶🏻 (2023年2月6日 21時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 咲菜さん» 守るためとはいえ嘘をついて自ら離れていく選択は辛いものがありますね😢長い間お読みくださってるんですね、ありがとうございます！☺️これからもワクワクしながら読んでいただけるよう頑張ります！💪 (2023年2月6日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月20日 17時
