75-彼氏 ページ26
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恋が実らなかった辛さはよく知っている。だからこそ、大切な人の恋は実ってほしいと思った。私のような苦しみは味わってほしくないから。
凪くんの恋を応援する______。
本人は何故か別にいいよとか真凜に好きになってもらえるわけないよとか遠慮してたけど、私は私でできることをしてあげたいなと思う。
具体的な行動を起こすのは夏休み終盤の夏祭りの日だ。私と凪くんと玲王くんと真凜の4人で過ごす日。その日に、私は……。
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夏祭り当日。17時までバイトに入っていて、その後直行して18時くらいに待ち合わせをしている。
お祭りは楽しみで、楽しみだけど、少しだけ寂しい気がするのはもう凪くんの恋人役は終わりになってしまうかもしれないから。あの2人だけの幸せな空間を失う日がきっと近づいているから。
複雑な心境を抱えながらあと数分で勤務が終わる時だった。
「あ、凛ちゃん。やっほー」
「ちゃん付けで呼ぶなうぜぇ」
「えー、いいじゃん別に！昔みたいでさ」
やっぱり昔よりも柄が悪くなっている凛ちゃんは、再会して以来も何度か来てくれている。相変わらず飲み物だけ買っていくようだ。
会計を進めながら他愛のない話を交わす。
「凛ちゃんほんと背ぇ高くなったねー。私の方が身長高かったのに」
「ガキの頃の話だろ」
「かっこいいから女の子からモテモテなんじゃない？彼女とかできたの？」
「いない。必要無い」
「そーなんだ？勿体無いなー」
会計が終わり、「じゃ、よかったらまた来てね」とペットボトルを渡す。凛ちゃんはペットボトルを片手に少しの間静止する。……どうしたんだろ、と首を傾げてみれば小さく口を開いた。
「Aは、」
「ん？」
「……いるのかよ、彼氏」
彼氏、と言われて過るのは勿論凪くんだ。
でも。心に影が落ちる。
凪くんは本当の彼氏じゃない。彼はカモフラージュの為に、そして真凜の代わりに私を選んでくれただけだ。だから、他校である凛ちゃんに凪くんが彼氏であることを伝える理由は無くて。
私と凪くんは、なんていう関係なんだろ……。今更、そんなことが分からなくて。
「彼氏はいな、」
「ちーっす。Aの彼氏でーす」
私の言葉を遮るように凛ちゃんの背後から現れたのは、……凪くんだった。
何でここにいるのか、驚きを隠せない。
「なんで凪くんがここに」
「迎えきちった」
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はむスター(プロフ) - 夜夏さん» 凛くんの強者感が滲み出てますね😂 (2023年2月9日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
夜夏 - 凛ちゃんの『勝った』が、めっっっちゃ好きです…！ (2023年2月8日 22時) (レス) @page46 id: 8f15f4a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - みはさん» ありがとうございます！夢主と同じ気持ちでお読みいただければと思います💪 (2023年2月7日 10時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
みは - ここからどうなるのかドキドキです😭🫶🏻 (2023年2月6日 21時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 咲菜さん» 守るためとはいえ嘘をついて自ら離れていく選択は辛いものがありますね😢長い間お読みくださってるんですね、ありがとうございます！☺️これからもワクワクしながら読んでいただけるよう頑張ります！💪 (2023年2月6日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月20日 17時
