73-君の特別 ページ24
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暗記は得意な方だ。だから、劇の台詞を覚えるのはそんなに苦労しなかった。あとの課題はインプットした台詞をどう表現していくか、それだけだ。
文化祭の劇の練習の為に学校に来た。台本無しで読み合わせを行なって、今は休憩時間だ。台本を見つめながら椅子に座っていると監督を担ってる1人である佐藤さんが近寄ってきた。
「おつかれさま。Aちゃんって演技上手だよね〜」
「え、ほんと？」
「ほんとほんと！なんかつい魅入っちゃうもん。ドラマを見てる感覚になる」
「それは佐藤さん褒めすぎだよー。でも、嬉しい。ありがとう」
「いいえー。ほんとのことだもん」
「じゃ、私ちょっと自販機行ってくるね」
「はーい」
教室を出て自販機に向かう。
佐藤さんは流石に褒め上手すぎるけど、誰かに一生懸命頑張っているところを評価してもらえるのはシンプルに嬉しい。
気分が良くなってルンルン気分で歩いていれば、自販機で丁度お茶を買ったところらしい玲王がいた。ペットボトルを持った彼と目が合ったので、「おつかれ」と片手を上げれば玲王も同じようにしてくれた。
「玲王も文化祭準備？」
「まあな。ほんとは部室に忘れ物取りに来ただけだったんだけど、ついでにちょっとだけ顔出しに来た。Aは劇の主役やるんだっけ」
「そう。頑張ってるから、よかったら観にきてね」
「うん、行くよ」
柔らかな目に見つめられて、ついドキリと胸が高鳴る。なんか、玲王の雰囲気が以前よりも優しくなった気がして。
「そういやA、バイトも始めたんだって？」
「あ、そうなの！お母さんの知り合いの方のコンビニで働いてるんだあ。……それで今日ね！神奈川に住んでた時の幼馴染がお客さんとしてて来てて再会したんだよ！凄くない！？」
「……へー」
「1個下の男の子なんだけど、サッカーやってて。絶対まだ続けてるだろうし、玲王も今度会……、玲王？」
玲王の手が伸びてきて、子犬にするみたいに頭を撫でてきた。唇を一文字に結んで眉を少し下げて、なんか不服そうな顔をしている。
「……Aの幼馴染枠は俺1人で十分だろ」
なんだ、なにそれ、
何その言い方。
私の
玲王がヤキモチ妬いてるみたいじゃん。
甘ったるい雰囲気が流れて背中がそわそわする。
「私の幼馴染は玲王だけじゃないよ」
「……嫌だ」
嫌だって子供みたいだな。
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はむスター(プロフ) - 夜夏さん» 凛くんの強者感が滲み出てますね😂 (2023年2月9日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
夜夏 - 凛ちゃんの『勝った』が、めっっっちゃ好きです…！ (2023年2月8日 22時) (レス) @page46 id: 8f15f4a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - みはさん» ありがとうございます！夢主と同じ気持ちでお読みいただければと思います💪 (2023年2月7日 10時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
みは - ここからどうなるのかドキドキです😭🫶🏻 (2023年2月6日 21時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 咲菜さん» 守るためとはいえ嘘をついて自ら離れていく選択は辛いものがありますね😢長い間お読みくださってるんですね、ありがとうございます！☺️これからもワクワクしながら読んでいただけるよう頑張ります！💪 (2023年2月6日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月20日 17時
