72-未来の ページ23
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今日は部活が無い日だった。午前中にバイトをして午後からは文化祭の劇の練習の為に学校に行き、それが終わったら凪くんの家に泊まる。
「いらっしゃいませー！商品お預かりしま、……す」
今日も今日とてレジをメインに働いていたのだけど。例の溜息の少年が来て思わず表情が強張る。あれからも何度か彼の会計を担当しているが、毎回飲み物だけを買っていく。
一応あれ以来溜息を吐かれたことはないが、何故か会計の間中、睨みつけるような視線が突き刺さる。……私、知らないうちに気に障ることしちゃったのかな。心当たりは全く無いけど。
ひとまず心を無にして会計を進め、最後に商品を渡して「ありがとうございましたー！」と頭を下げる。
彼がペットボトルを鞄にしまった拍子に、入れ替わるようにして何か小さなものが落ちる。「あ、お客様！」と声を掛けるが聞こえていないのか、出口に向かってしまう。
私はレジを離れて落とし物を拾い、「お客様！落とし物です！」と店を出て直ぐのところにいた彼へと届ける。こっちに振り向いてくれた彼に落とし物を渡す際にそれが学生証であることに気づく。
そして、目に入ってしまった名前。
糸師……。
「____凛ちゃん？」
「あ？」
「あー！なんか見覚えあるかもって思ったら凛ちゃんだ！久しぶり！元気にしてた？てか覚えてる？私のこと」
「……人の名前を簡単に忘れるほど馬鹿じゃねぇよ、A」
「え、なになに反抗期？」
「……チッ」
なんか柄が悪くなってる気もするが、久しぶりに再会できた幼馴染にテンションが上がる。
私は小学2年生までは神奈川県に住んでいて、凛ちゃんとはその時によく一緒に過ごしていた。東京に引っ越してからは疎遠になってしまっていたけど。
再会の余韻に浸っていたかったが、今はバイト中だ。お客さんがレジに並んでいるのを見て流石に戻らなきゃと判断する。凛ちゃんに片手をひらひらと振る。
「ごめん、バイト戻らなきゃ。会えて嬉しかった！夏休み中はここで働いてるからよかったらまた来てね！じゃあね！」
＊
＊
＊
糸師凛は受け取った学生証を片手に、コンビニに戻っていく間宮Aの背中を見つめた。
遠い日の思い出の中と変わらない、相変わらず眩しい笑顔の幼馴染。
「…………やっと気づいたのかよ。
彼こそが、間宮Aの未来の______。
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はむスター(プロフ) - 夜夏さん» 凛くんの強者感が滲み出てますね😂 (2023年2月9日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
夜夏 - 凛ちゃんの『勝った』が、めっっっちゃ好きです…！ (2023年2月8日 22時) (レス) @page46 id: 8f15f4a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - みはさん» ありがとうございます！夢主と同じ気持ちでお読みいただければと思います💪 (2023年2月7日 10時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
みは - ここからどうなるのかドキドキです😭🫶🏻 (2023年2月6日 21時) (レス) id: 48943adb31 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 咲菜さん» 守るためとはいえ嘘をついて自ら離れていく選択は辛いものがありますね😢長い間お読みくださってるんですね、ありがとうございます！☺️これからもワクワクしながら読んでいただけるよう頑張ります！💪 (2023年2月6日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月20日 17時
