08-同じ教室に君がいる ページ8
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悪い夢から醒めた気分だ。
いや、夢ならこのまま醒めないで。
彼の隣にいる幸せを奪わないで欲しい。
少しでも離れるのが惜しくて、いつもは「恥ずかしいから嫌だ」と学校近くで手を繋ぐのを拒んでいた私だけと登校時ずっと凪くんの手を掴んで離さなかった。
凪くんはそんな私を物珍しげに見ていたけど、やっぱり嬉しそうに手を握り返してくれた。
2人並んで歩ける奇跡を噛み締めるように、一歩一歩大切に歩いた。
＊
＊
＊
「A、ほんとにどーしたの、今日」
「ん？」
「ずっとくっついてきて可愛いけど、なんか俺幸せすぎて怖い。明日死ぬのかな」
休み時間になる度に人目も憚らず抱き着いてくる私に、凪くんが困惑気味に零す。困惑しつつもしっかり抱き締め返してくれるところが本当に好き。
死ぬ、というワードにどうしても過剰に反応してしまい、「死なないよ、凪くんは！」と背の高い彼を見上げた。冗談でもそんな言葉、聞きたくない。
「……私を残して、いっちゃだめだよ」
「俺が死んだら悲しい？」
「当たり前でしょ！」
悲しい、なんて一言じゃ表せない。
寂しくて、辛くて、痛くて、悔やんで。
そんな負の感情ばかりが真っ黒く心を覆いつくして。
もうどこにもいるはずのない君を永遠に探して。
探しても、探しても、いないから絶望して。
なら私も同じ場所にいきたいって思うのに、結局そんな勇気さえ出なくて。
心臓を失くしたまま、生きているみたいだった。
こっちが真剣に話しているのに、凪くんは片手で私の髪の毛をくるくると弄ぶと「じゃあ死ねないね、俺」と軽やかに言いのける。
馬鹿。死んだんだよ、君は。
私の心も道連れにして。
「Aちゃんが泣いちゃうから、生きてないと」
「……その言葉、忘れないでね」
「御意」
クラスメイトからの視線が突き刺さるけど気にせずいちゃいちゃしていると、チャイムが鳴ってしまった。流石に授業中は離れないといけない。
「また後でね、」と頭をぽんぽん撫でられて、名残惜しさを感じつつもそれぞれの席に着く。
すぐに先生がやってきて、授業内容のプリントを配布していく。
後ろの人にプリントを回すついでに、凪くんの方をちらっと見る。もう寝る体勢に入っている問題児がいて、涙腺が緩む。ああもう、本当に駄目だ。
教室を見渡せば、凪くんがいる。
たったそれだけでも泣けてくるんだ。
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はむスター(プロフ) - 桜もちさん» 私もお気に入りの作品なのでそのようなコメントをいただけて嬉しいです😭☺️ありがとうございます頑張ります！ (2023年4月6日 18時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - ＋...?葵＊一等星?....＋さん» いつもお読みくださりありがとうございます！☺︎素敵なコメントしていただけて嬉しいです😭 (2023年4月6日 18時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - るかさん» ありがとうございます！ (2023年4月6日 18時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
桜もち - 大号泣でした😭😭😭最高すぎる作品をありがとうございます🥰更新楽しみにしてます！ (2023年4月6日 0時) (レス) @page25 id: f3db4b5563 (このIDを非表示/違反報告)
＋...?葵＊一等星?....＋(プロフ) - いつも読ませて頂いています！この作品凄く好きで泣いてしまいました^^;応援してます！ (2023年4月4日 19時) (レス) @page25 id: b5a485c64e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年1月11日 23時
