不誠実な五条くんに弄ばれたい！【五条悟】

15.愛妻弁当 ページ16

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どうしてクッキー受け取ってもらえたんだろ。うーん、と頭を悩ませてみても、その謎は解けないまま。嫌なことはハッキリと嫌だという遠慮を知らない五条くんが、まさか気を遣って受け取ったとは考えにくいし……。


たまたまクッキーが食べたい気分だったとか？


……うん、有り得るな。五条くん、甘い物すきだし。たまたま五条くんがクッキーを食べたい時に、たまたまクッキーを渡したから喜んだもらえたのかもしれない。


そうしたら今度は甘くないものを作ってみよう。気を取り直して、五条くんに愛想を尽かされる作戦スタートだ！





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「五条くん！今日はお弁当作ったんだー、食べて食べて！」





お昼休みに入ってコンビニに菓子パンを買いに行こうとする五条くんを引き止め、風呂敷に包んだお弁当を見せびらかす。五条くんは目を丸くし、お弁当箱を凝視する。





「……Aが作ったの？」

「うん！」

「俺の為に？」

「そーだよ！」





お弁当を見つめたまま固まった五条くんの隣にいた夏油くんが「じゃあ私はコンビニ行ってくるから。愛妻弁当大事に食べなよ」と声を掛けて教室を出て行く。


続いて硝子も「あ、私もコンビニ行くから荷物持ちよろしく〜」と夏油くんの後をついて行った。


2人きりになった教室で、漸く五条くんが口を開いた。





「し、仕方ねーから食ってやるよ」





お弁当箱を雑に受け取ると、そのまま席に着いた。


……あれ？何故かまた受け取ってもらえた。


今度こそ「手作りなんて気持ち悪いもん押し付けるなよ」って罵倒される予定だったんだけど。いやでも仕方ねーからって言ってるし、本心はあまり乗り気ではないのかもしれない。




割と時間をかけて作ったお弁当は「……美味いな」と感心したように言われて普通に嬉しかった。






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