0.楽しい目撃現場 ページ1
.
「あ、あれAの彼氏じゃん」
「えっ。どこどこ?」
「あっち」
「……んー、……お、ほんとだ」
休日。同期の硝子と渋谷まで遊びにきて信号待ちしていたら、偶然にも同じく渋谷にやってきていたらしい五条くんと遭遇した。こんな人混みの中でも彼の長身と白銀の髪はよく目立つ。
彼は横断歩道の向こう側にいた。しかも、胸が大きくて明るい髪色の女の人と腕を絡ませて。遠目だからハッキリとは見えないが、多分歳上の人だ。大学生くらいかな?大学生のお姉さんを引っ掛けるなんて、流石五条くんだなあ。
うんうんと頷いて感心する。このままいけば信号が青になった時にすれ違う。よし、五条くんの視界に入るとこまで行こう。
「硝子」と目配せすれば、「またわざとすれ違うの?」と呆れたように溜息を吐かれる。そう、その通り。正解とニコッと微笑んで硝子の手を引っ張って五条くんと間近ですれ違える場所まで歩く。
そしていよいよ信号が青になる。人が一斉に動き始める。私達もその波に乗って歩く。向こう側からは五条くんと女の人が歩いてきている。
横断歩道の半分程まで歩いたところで、____パチッと五条くんと目が合った。
サングラスから覗く瞳が大きく見開いて、次の瞬間にはバツが悪そうに顔を背けられた。
それを見て普通の彼女なら傷つくところなのだろう。私がいるのに何で他の女と一緒にいるの?!と。しかし残念ながら私は普通の彼女ではなかった。
横断歩道を渡り切ったところで、爆上がりするテンションを抑えられずに「硝子!硝子!」と腕を掴む。
「なに」
「今の五条くんの顔見た!?めっっちゃ気まずそうな顔してた!ザ・浮気目撃された彼氏って感じの顔してた!」
「ま、浮気目撃された彼氏だしね。実際に」
「イケメン同級生に告白してなんとか付き合ってもらったものの、幸せはそう長くは続かず、彼の浮気が発覚して……ってなんかドラマみたいじゃない!?ドラマティックだー」
1人できゃあきゃあ騒いでいると、硝子がポケットから煙草の箱を取り出して「なんだかんだ、五条にはAみたいなのが丁度良いのかもね」と褒めてるのか貶してるのかよく分からないことを言ってきた。
「あ、硝子!禁煙しろって言ってるじゃん〜」
「アンタの近くにいる限り無理」
「えぇ?」
.
3094人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちゃむ - コメント失礼します!この作品を見た後不誠実な五条さんが好きな私と誠実な五条さん好きの私が喧嘩してました!wこれ五条さん目線のこの物語が見てみたいです!もし良ければ書いて頂けませんか?! (2月7日 22時) (レス) @page39 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 雪菜さん» 最後までお読みくださりありがとうございました!!😭きっと五条は夢主に誠実さを見せつける為に行動を改めていくんだと思います、!最後には手に入れる気満々ですからね笑 こちらこそ更新不定期な今作をお読みくださってありがとうございました…! (1月1日 23時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - わー!!!完結おめでとうございます!!!この先の激重五条も見たいですが想像で楽しみます😌こんな神作を連載してくれてありがとうございました!!本当に見てて面白かったです😭🙏💞 (12月31日 22時) (レス) @page39 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!!! (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - dearさん» 夢主を気に入っていただけてとても嬉しいです!☺️でも五条さんは自分と夢主で一緒に幸せになりたいと思ってるかもしれませんね、!笑 (8月11日 1時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はむスター | 作成日時:2022年3月26日 21時