28-1番向き合うべき人 ページ28
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私、無神経なこと沢山言った。
「凪くんと出会ってからの玲王は今まで見たことないほど楽しそうで、サッカーで世界一になるっていう目標ができて、本当に一生懸命で、かっこよくて……」
「それで私、玲王がサッカーする姿を近くで見ていたいなあって思ったんだよね……」
「凪くんといる時の玲王のキラキラした表情が、1番好きなんだぁ」
玲王のことしか見えていなかった。あの時1番近くにいてくれた凪くんの気持ちを粉々に砕いていた。凪くんはどんな気持ちで私の話を聞いていたのだろう……。
じわ、と目尻に滲みかけた涙を制服の袖で雑に拭う。
駄目、泣いていいのは私じゃない。私に泣く資格なんてない。
玲王への恋はもう終わっている。終わらせる。
それなら。
眠りの体制に入ってピクリとも動かない彼に自然と視線が向く。
私が今1番向き合わないといけないのは、凪くんだ。
結局、一度途切れた集中力は最高潮に戻ることなく、私がノルマを達成できたのは夕飯前時間ギリギリだった。
凪くんと向き合う。話す。そう決意したものの、実行委員としてレクの準備に追われてしまい、ゆっくり話す時間を設けられなかった。食堂で「凪くんも絶対来てね、肝試し」「うぃ〜」とその一言を交わすくらいしか叶わなかった。
肝試しのレクは3クラス合同で行う。1クラスの実行委員が司会を担当し、残りのもう2クラスの実行委員でおどろかし役を担当する。ちなみに玲王のクラスはレクはやらずに各々で好きに過ごすって言ってたな。それはそれで楽しそう。
先に実行委員3人で現地に集まり、段取りを最終確認する。私は来た人を驚かせればいいだけだから、時間内に終われるかは司会の人にかかっている。
「じゃ、何かあったらすぐ連絡してね！肝試し絶対成功させよう！」司会担当の人がそう言い、3人で「おー！」と拳を天に突き上げた。
＊
＊
＊
男女のペアが身を寄せ合いながら歩いてくる。
布団のシーツを被っておばけに成り切っている私(クオリティが低いとか言わない！)は、木の影から「わーっ！」と大声を上げて勢いよく彼らの前に飛び出す。
「ぎゃあぁぁっ！！」主に女の子の方の叫びが夜の湖によく響き、走って逃げていく。
順調順調。再び木の影に隠れる。
ていうか凪くん、ちゃんと来るかな。
そう思った直後だった。
「誠士郎くん。怖いから掴まってもいい……？」
「どーぞ」
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はむスター(プロフ) - 茶々さん» 初コメありがとうございます！ブーゲンビリアの花言葉、気づいてくださった方がいて嬉しいです😭 (2023年2月10日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 初コメ失礼します！ブーゲンビリアの花言葉でもうしんどいです、、。好みど直球な作品で一気読みでした！ (2023年2月3日 22時) (レス) id: 2bcc5ab034 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 莉紅-リク-さん» お待たせいたしました！続編でもお会いできること楽しみにしています！☺️ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - おりかさん» ありがとうございます！続編でもよろしくお願いします☺︎ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
莉紅-リク-(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！続編待ってます！！ (2023年1月20日 8時) (レス) @page50 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2022年12月28日 17時
