01-幼馴染 ページ1
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彼の瞳に私が映ることなんて、ただの1度もなかった。幼馴染というポジションを確立している以上、ただの友達よりは特別な存在だったのかもしれないけれど。
でも、私は彼に好きになってもらいたかった。
「玲王くん！今日も部活頑張ってね」
「おー。お前もバイト頑張れよ」
「うん！ありがとう」
「また明日ね」と手を振る可愛い彼女さんに、玲王もひらひらと手を振り返した。
見たくて見たわけじゃないその光景に、お決まりのように勝手に胸が痛む。もう、諦めはついているはずなのに。頭では理解していても、心が追いついてくれない。
放課後、今週は掃除の担当になってしまい、指定された教室に掃除をしに行った。掃除が終わって自分の教室に戻ろうとしていると、廊下で先程の玲王と彼女さんのやり取りに遭遇したのだった。
好きな人が彼女といるところを見るのは正直辛い。
でも、
「あ、A。今日凪学校来てる？」
「……うん、来てるよ。ていうか、凪くん面倒くさがりだけど学校はちゃんと来る子だからね？」
「わかってるけど、念の為の確認だよ」
名前を呼ばれるだけで、話しかけられるだけで、胸の痛みは和らいでしまうのだから、私って相当単純だ。
凪くんと私は同じクラスなので、部活がある日の放課後は玲王がこうして凪くんを迎えに教室まで来る。
隣に並んで廊下を歩いていると、部活の先輩から声が掛かった。何でも、玲王に今日は少し早めに部活に来て欲しいとのことだった。玲王は急用ができたわけだが、「凪に一声掛けてから行く」と行き先を変えない。
相変わらず凪くん愛が強いなあと微笑ましく思う。
「玲王は本当に凪くんが好きだね」
「気色悪い言い方するなよ。凪は俺の宝物なの！」
____じゃあ、私は？
凪くんが宝物なら、私は。
やっぱりただの幼馴染？それとも部活のマネージャー？
聞いてしまえば、答え合わせが簡単にできるのに。聞いてしまったら、全てが終わってしまう気がして。
聞きたいけど、聞けない。
モヤモヤしているうちに教室に辿り着いた。凪くんはまだ自席に座っていた。多分彼お気に入りのスマホゲームをしているのだろう。
玲王は凪くんの肩を叩く。
「なーぎ。今日も部活だからな」
「えー。めんどくさい。ゲームしてたい……」
「俺はもう行かなきゃだから、Aと一緒に来いよな」
玲王は「今日も頑張ろうぜ」と言って教室を出て行った。
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はむスター(プロフ) - 茶々さん» 初コメありがとうございます！ブーゲンビリアの花言葉、気づいてくださった方がいて嬉しいです😭 (2023年2月10日 17時) (
レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
茶々(プロフ) - 初コメ失礼します！ブーゲンビリアの花言葉でもうしんどいです、、。好みど直球な作品で一気読みでした！ (2023年2月3日 22時) (レス) id: 2bcc5ab034 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 莉紅-リク-さん» お待たせいたしました！続編でもお会いできること楽しみにしています！☺️ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - おりかさん» ありがとうございます！続編でもよろしくお願いします☺︎ (2023年1月20日 17時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
莉紅-リク-(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！続編待ってます！！ (2023年1月20日 8時) (レス) @page50 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2022年12月28日 17時
