16-会いに来た ページ17
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高専に入学してから本家に戻ったのはあの1回きりだった。だからと言って、無下な扱いをされているわけでも勘当されたわけでもない。
母にも念の為安全な場所に避難してもらってるが、今のところ何もなく無事ということで元の家に戻ることになりそうだ。
五条先輩と付き合っている、という口だけの脅迫が想像以上に効いたのかもしれない。
私が思っているよりも効果があったので五条先輩には焼肉を奢った。たまに「俺のおかげで助かってんだろ？だから美味しいモノ食べさせてくれよ」と外に連れ出されるが、美味しいお店を調べて連れて行ってくれるのは先輩だし結局奢ってくれるのも先輩だった。奢る名目で一緒に出掛けてるのに、奢ってもらってる矛盾。ラッキーだしまぁいいか、とこの事にはツッコまないことにした。
そして秋も真っ只中。ようやく本家のことも忘れつつあった頃だったのに。
放課後になって任務もなく、硝子先輩とお菓子でも食べながらガールズトークしようかと思案していると。私を探しに来たという補助監督に「校門のところに向かってください。Aさんに用があると禪院家の方がお待ちです」と言われた。
……ついに来た、と冷や汗が流れた。
五条先輩効果で大人しくなっていた禪院家が動き出した、と。
正直怖い。怖いけど、いつまでも五条先輩に甘えているわけにもいかないから自分の力で立ち向かわなきゃ。
震えそうになる足を鼓舞し、校門に向かった。
そこにいたのは……。
「______直哉？」
「Aちゃん……」
「1人できたの？」
「うん」
今1番会いたくない人、なはずだった彼。
会ったら気まずいし超怖いし嫌悪感が湧くだろうと思っていた。
けど視線が絡み合った瞳にあまりにも覇気がなくて、ただ驚いてしまった。
自信だけは人一倍持っている直哉が少し俯いている。
拳を握って、震える喉から声を絞り出す。
「なんで直哉がここにいるの？」
「……Aちゃん、本家に来てくれへんやん。せやから会いに来た」
「関わりたくないって言ったでしょ」
「…」
きっとここで負けてしまえば、元通りになってしまう。
だから何があっても揺らがないって、
恐怖に打ち勝とうとした。
なのに。
おそるおそる伸びてきた手が私の服の袖を掴む。ほのかに潤んでいる瞳に、桃色が滲んだ目元。切なげに歪んだ眉が必死さを表している。
降ってきたのは囁く程度の小声。
「…………好きなんや」
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はむスター(プロフ) - さえさん» クズ男の自信のない告白いいですよね！！← お読みくださりありがとうございます☺︎ (1月31日 23時) (
レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - ......好きなんやが狂うほど好きです！！！！！！ (1月26日 20時) (レス) @page17 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - 雪菜さん» いつもありがとうございます！☺️うちの夢主は容赦ない時はほんとに容赦ないですからね…！笑 (1月26日 18時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - 傷ついた顔をした直哉にも容赦ない夢主が大好きです…🤦♀️💞 (1月24日 16時) (レス) @page15 id: f0574d2f45 (このIDを非表示/違反報告)
はむスター(プロフ) - xs.さん» ありがとうございます嬉しいです！☺︎ (1月23日 23時) (レス) id: fadfb7919a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2024年1月13日 17時
