106-幸せ ページ8
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玲王と付き合った日々を想像してみる。
私は多分、玲王に対してだったら多少のわがままを言ったり、勉強のことで頼ったりすると思う。でも自分ばかり与えてもらうのは嫌だから、お弁当を作ってみたり、サッカーのことで今まで以上に支えようとしてあげたりすると思うんだ。
玲王は優しいから私のわがままを受け入れてくれる。そして魔法使いみたいに全部叶えてくれるんだ。でも優しいだけじゃなくて、たまにはからかってきたりして意地悪な一面もあって。それで、サッカーをしている姿は誰よりも輝いていて。
きっと、玲王が言った通り私達なら上手くいくと思った。
「……確かに。玲王と付き合ったら私は、絶対幸せになれると思う」
「！じゃあ……」
今すぐにでも手に入る幸せを選択したら良い未来が訪れるって頭では分かっているのに。すぐ側にある煮え切らない想いが口を閉ざす。
その先の言葉は口に出せないまま、ふと窓の外に視線を移す。お祭り騒ぎで大賑わいの中、1人でベンチに座ってスマホゲームを楽しんでいる彼が目に入った。……折角文化祭なんだから、屋台とか見て回ればいいのに。
でもそんなところが凪くんぽいんだよなあって
好きなんだよなあって。
そう、例え報われないとしても、この恋心を無かったことにするなんてできない。
スカートの横で拳を握る。
「……でも、多分ね、玲王は幸せになれない」
「え？」
「私と付き合っても、玲王は幸せじゃない」
そうだ。凪くんを好きな宙ぶらりんな気持ちのまま玲王と向き合っても、玲王に失礼だ。恋人が自分のことを好きじゃないってどう考えても辛い。と、経験者は語る。
だから、玲王の優しさに甘えたりしない。
「…………いいよ、それが俺が望んだことだから」
「私が嫌なの。玲王が大切だから」
「…」
「……ねえ、玲王。やっぱり私達は幼馴染で____」
「待て」
傷ついたように眉を歪めた彼が片手で制しながら言う。
「まだ振らないでくれ、頼む」
「でも、」
「もう少しだけ頑張らせてよ」
「……私の気持ちは、多分変わらないよ」
「うん、覚悟はしてるから。どんなに時間がかかっても構わねぇ。もう一回Aに好きになってもらいたい。頑張りたい」
「…」
今まで見た事もないほど真剣な眼差しで訴えられて、その熱意に断ることはできなかった。
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
