124-ブレーキ ページ26
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凪誠士郎視点
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やっぱり修学旅行ってめんどくさい。
キョーミもない観光地に無理矢理連れ回されて、好きな子が他の男と仲良くしてるところを見せつけられて。楽しいことなんて1つもない。
こんな事ならサボって家でゲーム三昧の日々を送りたかった。
2日目夜の自由時間。人通りの少ない穴場の休憩スペースを見つけて、そこの長いソファにうつ伏せに寝転がってゲームをする。レオには「行儀悪いぞ凪」と呆れられたけど、無視してゲームを続けた。
「ねーレオ、俺もう帰りたいんだけど。早退とかってできないの」
「お前折角海外まで来てんのに通常運転だな……。まあ、俺と帰るか？」
「え、うん」
「学校がない分、朝から晩までサッカー漬けの生活に付き合わせるけどな」
「……やっぱ帰らない」
レオといるのはいいけど、サッカーは面倒くさいから嫌だ。わざわざ帰ってまでしたいことじゃないから、それなら残った方がマシだ。
レオは「そろそろ楽しくなってきただろ？サッカー」と苦笑するが、面倒くさいものは面倒くさい。この気持ちが揺らぐことは一生無いだろう。
気の許せる静かな空間でゲームも捗る。お、なかなかいい感じ。
少しするとレオが「あ」と呟いて続ける。
「Aと、……お前と同じクラスの、鈴木だっけ？なんか一緒にいるけど」
「は？」
聞き捨てならない名前が並んでいて反射的に上半身を起こす。確かにその2人が一緒にいた。少し遠いし柱の陰からは死角になっていてこっちには気づかないみたいだ。呪いみたいに真凜の言葉が蘇る。
「鈴木くん、Aのこと好きかもって噂あるよ」
思わずスマホを強く握り締める。画面には「GAME OVER」と表示されている。
何を話しているのかまでは流石に聞こえない。
「あ……」
鈴木がAのことを抱き締めているのが見えた瞬間、無意識に俺はソファから腰を上げて、
____一歩踏み出して、しかしブレーキをかけた。
その場に立ち止まり、腹の底から湧いてきた嫉妬心や独占欲の炎を鎮めるように再びソファに座り直す。
「なんだ、行かねぇの？」
レオが煽るように言う。葛藤する心情を見抜かれたみたいで少し居心地が悪かった。
「……行かないよ。もう間宮は関係ない。てかレオが行きなよ。好きなんでしょ」
「お前だって好きだろ」
「好きじゃないし」
「そろそろ素直になれよ凪」
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
