101-募る想い ページ3
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その後、駆け寄ってくれそうになった佐藤さん達を手で制して「大丈夫です！続けます！」としっかり伝える。凪くんが助けてくれたおかげで本当に、痛みなどは全然無い。
そうして再び照明がついたステージの上。
恋人同士となった主役2人がお互いの夢を追いかける為に爽やかに別れるラストシーンでは、今までで一番の演技ができた気がする。客席からも少し涙を拭っている様子が見えた。
全部を出し切って最後まで劇を披露することができた。
あたたかくて館内中に鳴り響く拍手を目にした時、感極まって泣きそうになり、鈴木くんにちょっと笑われた。
その後教室に戻ってクラスの皆と記念写真を撮る。主役の2人から一言どうぞなんて無茶振りをされて「皆本当におつかれさま！」とありきたりな一言を言う。
もっと気の利いたこと言えよー、なんて野次が飛んできたけど、誰にも気づかれないようにそっと後ろの方から教室を出て行った人影が見えたので「ごめん、ちょっと飲み物買ってくる！」と慌てて教室を出る。
まだ衣装は着たままだけど、ハイヒールだけ上履きに履き替えておいてよかった。おかげで彼を追いかけられる。
この階は一般のお客さんや関係の無い人は立ち入り禁止なので、廊下にはほとんど人がいない。歩く彼の背中に向かって声を張って叫ぶ。
「凪くん！」
「…」
振り向いてくれないし、歩みも止めない彼。
意地になって走って追いかけ、ようやく追いついたので制服の袖を掴んで引き止める。止まってくれた隙に要件だけ伝えてしまう。
「あの、さっきは助けてくれて本当にありがとう」
「…」
「それだけ、伝えたかったの」
じゃあ、と言いかけてやめる。
ゆっくりと彼が振り向いて、それで
目が合って。
「劇、おつかれさま」
彼の瞳に映って、たった一言もらえただけで、
どうしようもなく胸が締め付けられて。
離れている期間なんて吹き飛んでしまうくらい、
彼への恋情で心が埋め尽くされる。
「……ありがとう」
きちんと笑顔で言えただろうか。
込み上げてくる涙を抑えられる自信が無かったから、今度は私から背を向けて「じゃあね」と立ち去る。
＊
＊
＊
「…………、A」
凪は去っていく小さな背中に伸ばしかけてしまった手を見つめる。
Aは涙を見せたくないと立ち去ってしまった為、凪が何か言いたげに見つめていたことに気づくことができなかった。
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
