117-夜の海にて ページ19
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ビショップ博物館の見学をし終わった後は、ついにホテルに着き、クラスごとに振り分けられた時間帯で夕食とお風呂を済ませた。そして、皆お待ちかねの自由時間がやってきた。
てっきりこのままダラダラと部屋で女子会が開催されるかと思っていた。スマホを見ている萌音が「あ！今なら鈴木達の部屋来ていいって！返信きた！」と言い出したことにより、4人で沢山のお菓子を持って男子の部屋に向かうことになったのだ。
異性の部屋に入ることは禁止されているから、見回りの先生の視線を掻い潜っていかなければならない。男子の部屋に行くことに興味はないけど、皆で先生に見つからないようにこそこそと移動をするのは楽しい。
階段を降りていれば、「あ、Aちゃん！」と上から声が降ってくる。4人の肩がビクッ！と跳ねるが、ひとまず先生の声ではなかったので安心して振り向く。
そこには佐藤さんがいて。
「Aちゃん、さっきの話の続き聞かせてほしいんだけど、どうかな？」
さっきの話は、あれだ。
きゅっと唇を横に結ぶ。
ただの自己満かもしれない。でも、悩みを誰かに聞いてもらえるだけでも心が軽くなるのも事実で。そして話を聞いてもらえるのなら、当事者ではないけど仲の良い佐藤さんがピッタリだと思うから。
「うん、話そう。……ごめん皆、ちょっと私佐藤さんと話してくるね」
「おっけーい！」という返事を貰い、佐藤さんと共に階段を降りていった。
ホテルから歩いて数分もかからない砂浜に到着し、岩場に腰を落ち着かせる。うちの学校の生徒がちらほらいるが、波の音が声を隠してくれるので、内緒話をするには持ってこいのスポットだった。
佐藤さんは「夜の海ってロマンティックだよね〜」と暗がりでも分かる程の透き通った海面をうっとり見つめた。私も全力で頷いて同意する。
潮風で下ろした髪の毛が柔らかに靡く。
視線は海に向けたまま、佐藤さんが切り出す。
「あのね、Aちゃん。もし答えなくなかったら答えなくても大丈夫なんだけども」
「……うん」
「Aちゃんの好きな人って誠士郎くん……？」
心臓の鼓動が徐々に強くなっていく。
玲王以外には悟られないようにして抑え込んでいた気持ち。
何度も何度も押し殺してきたから、気づかないうちに限界を迎えていたんだ。
「うん……」
色々な想いが込み上げて、一言発するだけで精一杯だった。
「そっかぁ」
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
