114-修学旅行 ページ16
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白いキャリーケースをガラガラと引きずりながら、真夏のような澄んだ青空に向かって伸びをする。
「わ、あったかーい！」
隣にいる佐藤さんが「夏休みに戻ったみたいだねぇ」と無邪気な笑顔を見せてくれる。
東京から飛行機のフライトで約8時間。修学旅行で待ちに待ったハワイにやってきた。
「Aちゃん知ってた？私達が泊まるのってオーシャンビューのホテルらしいよ！」
「ね！やばいよね、楽しみすぎる！ハワイの海早く見たいなあ」
「あー帰りたくないなあ」
「まだ来たばっかりじゃん！」
佐藤さんと顔を見合わせて笑い合う。ハワイに到着したばかりなのにもう帰る時のことを寂しく思ってる佐藤さんが可愛いなと思った。
今は空港を出て、クラスごとの貸切バスのところに向かっている。
「そういえばさあ、Aちゃん」
「ん？」
「3日目の自由行動、玲王くんと回るんでしょ？」
まさにニヤニヤという効果音が似合う笑顔で言われ、気恥ずかしさを感じつつも頷く。
「……うん」
「わー！青春！楽しんできてねぇ」
「ごめんね、点呼の時には必ず居るようにするから」
「大丈夫！それより本当に凄かったんだよ、玲王くん。物凄く真摯にお願いしてきたから、断る理由なんて見つからなくて」
「そ、うなんだ……」
「もしかしたら、修学旅行で正式に告白されちゃうんじゃない？！」
「…」
盛り上がる佐藤さんに対して、私の心には影が刺す。
佐藤さんとは同じクラスになってから結構関わってきて仲良くなったし、本心を話してもいいかなって思えた。真凜は親友だけど、この話はできないし。
内緒話の際の距離感になり、声を潜めて打ち明ける。
「……実はね、前にもう告白されてるんだ」
「えっ！？じゃあ付き合ってるってこと……！？」
「ううん、付き合ってない」
「……振ったの……？」
決して大声にならないように気をつけてくれながら、純粋な疑問をぶつけてくる佐藤さん。
「……私、まだ他に好きな人がいて」
「それって……」
察したように何かを言いかけた佐藤さんを遮って「凪ー！ゲームは後でやんなさい！ほれ！」「やめろ真凜。スマホ返して俺の生き甲斐」と真凜と凪くんの声が響く。自然と目が彼の姿を追いかけてしまう。
……もし、凪くんの隣にいられたのが私だったら、なんて。やめよう、考えるだけ虚しくなる。
「Aちゃん、続きはまた夜に話そ」
「うん」
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飴玉(プロフ) - ほんと素敵なお話ありがとうございました😭一つ一つの表現の仕方が切なくてなんかすごく刺さるものがあった小説でした！！初めてこんなに夢小説にハマりました！続気も書いてくださるとは…めっちゃ嬉しいです。これからも活動応援してます✊🏻´‐ (2023年3月17日 23時) (
レス) @page50 id: 6166c70364 (このIDを非表示/違反報告)
かい - わー！おめでとうございます！！社会人編があるなんて！？楽しみしてます！ありがとうございます！！ (2023年3月16日 19時) (レス) @page47 id: 4d5241d02c (このIDを非表示/違反報告)
沈みゆく佐藤。(プロフ) - 下睫毛さんとの意味深なフラグ回収はありがたい。主様の作品は切なくてさっぱりしてるところ夢小説にはあまりない現実に近しいかんじがとても好きです。社会人編では下睫毛さんとの絡みに期待ですね!! (2023年3月15日 17時) (レス) @page47 id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
マユリ(プロフ) - 完結おめでとう&お疲れ様です♡失礼ながら最近気づいたのです…推し検索して1話読んで気に入ったらお気に入り登録するのですが、主様の作品全部登録してました(*pωq*)根っからのファンみたいですwwwこれからも応援してます♡ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: 7b9abdf20f (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 完結おめでとうございます！！毎日更新を楽しみにしていた作品が一時的に（？）終わってしまったのは悲しいですが心の支えになってました！また楽しみにしています！ (2023年3月15日 1時) (レス) @page47 id: b983e74723 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむスター
| 作成日時：2023年2月13日 19時
