◇ ＷＥＳＴの歌姫。７

◇． ページ17

桐山side









小｢……どうしたん？｣


桐｢え？｣


小｢ぼーっとしてるやん？｣









撮影合間の休憩中｡


よいしょ､と俺の隣に
座ってきたのは望｡









小｢具合悪いとか？｣


桐｢…そんな風に見える？｣


小｢…照史に限ってそれはないかぁ！｣


桐｢おい！どういう事やねん！笑｣









相変わらず失礼やなぁ｡笑


…けど､意外に周り見てんねんな〜､コイツ｡









最初は躊躇った夢の話も､
別に夢やし…｡

1人でモヤモヤしたままも嫌やったから
実は…と望に喋った｡









桐｢前の日にAのキスシーン見たせいなのか
妙にリアルな夢やってんな〜｣


小｢ふ〜ん……｣


桐｢聞いといてその反応かいっ｡笑｣


小｢いや……｣


桐｢ん？｣


小｢それこそ Aに限ってそれはないなって｣


桐｢まぁ…たかが夢やから｡笑｣


小｢そうじゃなくてさ｣


桐｢え？｣


小｢A､前に言うてた事があって｣









"自分はジャニーズやから"


"ファンの人に誤解される様な行動はしたくない"









前に共演してた俳優にしつこく迫られた時に
Aはそう言っていたらしい｡




そして､メンバー以外の男とご飯に行くのを
断ってた事もそこで初めて知った｡









小｢自分は不器用やから､こうする事でしか
色々守られへん､って｣


桐｢！…そうやったんや｣


小｢だから､照史も本当は分かってると思うけど…｣


小｢Aは絶対そんな事せえへんで｣


桐｢…うん､せやな｣









あんな夢如きに､
ちょっと不安になってしまった
自分が恥ずかしいくらい､


俺らは､俺らが思っている以上に
Aにとっての特別なのかもしれへん｡









＊




あ｢あれ､何話してると思う？｣


神｢めっちゃシリアスな雰囲気やなぁ…｣


あ｢意外にしょーもないことかもしれへんで｣


神｢例えば？笑｣


あ｢…将来ハゲたらどうしよう､とか？｣


神｢あはははっ｡笑｣







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