◇ ＷＥＳＴの歌姫。４

◇． ページ4

小瀧ｓｉｄｅ









小瀧｢よし、こんなもんやろ｣









冷蔵庫にあったもんで簡単にご飯を作って、
Aを呼びに また楽器部屋に向かった。









ｰ









小瀧｢A〜…｣



『〜♪』ｼﾞｬｶﾞｼﾞｬｰﾝ



小瀧｢……｣



『♪あとちょっと もう少しを頑張れたなら

その分きっと未来は明るくなるって信じて また♪』









今度はヘッドホンをしてなかったけど
熱中しすぎて俺の声に気付かず


背を向けたまま
ギターを弾いて歌い続けるA。









この小さな 華奢な身体のどっから
そんな力強い声が出てんのかと思うと不思議で。




それと同時にやっぱり俺は
この人の歌声が大好きや、って自覚する。









Jrの時、
初めてAの歌を聴いたあの日からずっと。









『♪たまには下を向いて歩いてみてもいい

上ばかり見て転んでしまうその前に♪』




小瀧｢……｣









あー。



好きやなぁ。









ギターを弾くその後ろ姿も、
落ち着く歌声も、


凛としてるけど
どこか柔らかい雰囲気も。









『♪ずっと あなたらしくいて〜…♪』



小瀧｢……いい歌っ｣ｷﾞｭ



『わっ、望、おったん…？』



小瀧｢めっちゃいい。好き｣



『ふふ、ありがと』



小瀧｢…ご飯出来たから、食べよ？｣



『ん、流石にお腹減ったぁ。笑』









昔よりももっと、
今のがAの事好きになってて困るくらい。









＊






『ん〜、美味しぃぃ…』



小瀧｢いつから食べてなかったん？｣



『えぇっと……朝、？』



小瀧｢もう、アカンで、ちゃんと食べな！｣



『…ふふ、なんか望に怒られんの新鮮やぁ。笑』



小瀧｢ちゃんと聞いてっ｣



『はぁい…。笑』



小瀧｢(心配して言うてるのにっ)｣



『ん〜、美味し…♪』ﾓｸﾞﾓｸﾞ









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