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「コネシマさん。色々お世話になりました」
「おう！俺も楽しかったしええわ！」
私は今、コネシマさんにお礼を伝えていた。
私の力が発覚してから、彼は私のそばによく居てくれた。混血の人に事情説明する時だけじゃなくて、移動教室の合間とかお昼とか、それこそショッピくんがいない時とか。
ショッピくんと鉢合わせするとどうも良くないらしくて、まあその方が私にも好都合だった。
怖い人だと思ってたのに、案外穏やかな人であった。ギャップがすごい。
「……お礼に血、あげようか？」
「なんで？」
「私の血は美味しいらしいし、お礼になるかなって」
「…………いや、いらん」
コネシマさんは困ったような顔で私を見据え、そのまま私の両肩に手を置いた。何かを諭すような仕草だった。
「ええか？お前は特殊なんや。もうちょい自分の体を大切にしねぇと」
「うん……」
「…………あー、あとな。俺も特殊やろ？ハルキの力が効いとらん唯一の混血。やからその、なんて言うんやろ……レアさ？を楽しみたいねん。お前の血ぃ飲むのは、お前が俺を選んだ時や」
コネシマさんは頭をガシガシとかいてから私に向き直った。『一応俺もエミさんの話聞いて、ハルキを助けたい思ったわ』と。
目の前にいる彼が、長めの牙をチラリと見せて笑う。その笑顔はまるで希望の光のようだ。
「結構ハルキとおんの楽しかったで」
「私も……コネシマさんの良いところをたくさん知れて楽しかったし嬉しかった」
「そうかそうか！お前次第やけど、もっと話してえわ。俺らはもっと仲良うなれるぞ！」
コネシマさんの言葉と共に、２人で顔を見合せて笑った。
彼は、 太陽のように明るかった。──そして私に勇気と元気をくれたのだった。
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作者名：かえち
| 作成日時：2023年3月12日 20時
