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「ハルキちゃーーーん！」
一際大きな声が、私のクラス内の響き渡る。教室にいた皆が一斉に、声の出処である入口へと視線を向けた。
うわぁ恥ずかしい……！なんだ？って顔してみんな私の事見てる……！！
しかしそんな羞恥心は顔には出さないで、私を呼んだ張本人の元に済ました顔で向かった。
「シャオロンくん、もう少し小さい声で……」
「……あっ！うるさかったよな、ゴメン…！」
シャオロンくんのしょんぼりした様子は、犬がしっぽを下げて反省してるように見える。私はすぐさま「気にしてないよ」と言ってフォローした。可愛いものに弱いのだ。
「あんな、実は話したいことあって」
「うん」
「おれ前に、ハルキちゃんから血もらったやん？ 美味しすぎて鮮明に覚えとったんやけど、朝起きたらその味が思い出せんねん…………」
ゴクリ、と私は唾を飲み込んだ。
これはもしかしなくても──あの薬が効いている？ どのように効くのか想像できないが、とりあえずいい感じに効果はあるみたい。
どうやって返事をしたらいいのか分からずに黙っていると、シャオロンくんは私に１歩近づいてきた。
「………もっかい、飲ませてくれへん？」
「あ……」
「痛くはせんから」
「だ、だめ、ダメです！」
「なんで今回はだめなん……？」
「前は非常事態だったからであって、その、とにかくダメ」
私がキッパリと断ると、シャオロンくんは「ええ〜！」と諦めきれない声を出して残念そうにしている。
ごめんね、、でもこれがシャオロンくんのためになることなの！
私の固い意志が伝わったのか、彼は渋々折れてくれた。美味しい物を食べて、忘れたらまた食べたくなる気持ち分かるよ。でもこれは命に関わるかもだから、、
「他のヤツらには飲ませとんの？」
「ううん。きっと最初で最後がシャオロンくんだと思う」
「…………ならええか〜！」
多分だけど、薬飲ませる作戦は上手くいった気がする。多分。
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黄色星、順位ありがとうございます(TT)
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作者名：かえち
| 作成日時：2023年3月12日 20時
