９．黄緑色の危険人物 ページ33
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「ショッピくん、どうしよう…」
「っ何？誰かになんかされたん？」
「…薬飲み忘れちゃった……」
学校に登校してすぐにショッピくんを呼び出した。彼は慌てた様子で私の元に駆けつけてくれて、今に至る。
そう！朝に寝坊してカモフラージュのための薬を飲み忘れ、SHRが始まる直前に思い出したのだ。気付いた時には既に遅し、ショッピくんに相談するしか方法がある思いつかなかった。
ちなみに予備の薬も持ってきていないから完全に詰んでいるのである。
「とりあえず保健室行かんと。そこになら薬あるやろ」
「薬飲まないと匂いしないから、周りからおかしいって思われないかな……混血の人ってそういうの敏感みたいだから…」
「俺がおるから大丈夫。誰も気付かんし、気付いたとしても俺が守る」
力強いショッピくんの言葉にウルッときた。そのまま彼の頼もしい背中を追って、保健室へと向かう。授業が始まりそうだったのに付き添ってくれて、さらに涙腺が刺激された。
＊
案の定、保健室に薬があってそれを飲んだ。もう少し落ち着いて考えたらすぐ辿り着きそうな考えだったのに。私はパニックになってたのかもしれない。
何はともあれ、ショッピくんに感謝をする。
「ショッピくんありがとう……助かりました」
「俺にできる事はこれくらいやから。いつでも言って」
ショッピくん、、、と優しさに浸っていたその時、勢いよく保健室の扉が開いた。私もショッピくんも反射的に扉の方を振り向く。そこに立っていたのは、緑色のパーカーを着た男の人だった。フードを深く被っていて顔がよく見えない。
「アレー？ 取り込み中やった？ これじゃサボれんやんけ」
「ゾムさん……」
「お？？ ショッピくんやん！久しぶりやな元気しとった？」
「…………まぁ一応。ほら、はよ行こ」
腕を引かれ、ここから出ようと連れられる。ゾムさんと呼ばれた人は私のことを興味深そうに見ていて、変に胸騒ぎがした。
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作者名：かえち
| 作成日時：2023年3月1日 20時
