ドラマチック ページ43
私はそのまま吸い込まれるみたいにウォヌさんに抱き着いた。
ウォヌさんのボアジャケットに身を包んだ私を抱き締めたウォヌさんは「あったけ」と呟いた。
ウォヌさん全体的に硬い。男の人の体だって感じがする。
『ウォヌさんっておいくつなんですか』
「今年２０歳になりました。そちらは」
『……１７です』
「３歳差」
『子供っぽいからって、捨てないでくださいね……他の女性に目移りしないで下さいね』
「しないよそんなこと」
ウォヌさんの背中に回した手にギュッと力を込める。
「……落ち着いてきた？」
私はウォヌさんの胸に顔を埋めながらコクリと頷いた。
「帰ろう、もう遅いから。送ってくよ。つってもAちゃん家すぐそこだけど」
私は何も答えなかった。ウォヌさんを困らせてしまうことは百も承知だったけど、でもギュッと密着したこの状態からはどうも離れがたくて。
ウォヌさんはそんな私の様子にやっぱり少し戸惑ってしまったようで、言うことを聞かない子供に言い聞かせるような声色で私の名前を呼んだ。
私はゆっくりとウォヌさんから体を離す。
「不服そうな顔」
『……不服です』
「会おうと思えばいつでも会えるよ」
ウォヌさんはそう言って私の手を握った。ウォヌさんの骨張った大きい手が私の手を包み込んで、そのままお互いの指が絡まる。こ、恋人繋ぎ……。
気恥ずかしくなって、何気なく真っ暗な空を見上げると、ポツポツと白い結晶が降ってくるのが見えた。
『……あっ、ウォヌさん！雪です。初雪』
「タイミング絶妙すぎね。つか寒ぃ、寒いわ。早く帰るよ」
『……はーい』
そういえば私ずっとウォヌさんからボアジャケットを奪ったままだ。今返しても多分拒否されるだろうし、私が早く家に帰って返さなきゃ。
やっぱりまだ離れるのは惜しいけど。
あまりにもドラマチックなタイミングで降った初雪と共に、私たちはお互いの指を絡めたまま真っ暗な夜道を歩き出した。
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りんね - なみさん» 新年一発目にありがとうございます！なんか照れます！笑 良いお年をお迎えください〜！ (2021年1月1日 3時) (
レス) id: 8a433fff5f (このIDを非表示/違反報告)
なみ - 新年一発目に読ませていただきました！笑 とってもキュンキュンしたし、ウォヌさんの表情とかが目に浮かぶようでした！！ 言葉とか、雰囲気とか全部好きです！！ (2021年1月1日 2時) (レス) id: 7c416b3b26 (このIDを非表示/違反報告)
りんね - ジェリーさん» コメントありがとうございます！「可愛い」は初めて言われたかも(〃艸〃) 皆さんの声をモチベに更新頑張ってみます！ (2020年12月30日 3時) (レス) id: 8a433fff5f (このIDを非表示/違反報告)
ジェリー(プロフ) - 可愛くて大好きでした！完結ありがとうございます！他の作品の更新も、ゆっくりで良いのでしてくださると嬉しいです！！ (2020年12月30日 1時) (レス) id: a4ccdce64b (このIDを非表示/違反報告)
りんね - KYANAさん» わ〜！！沢山褒めてくださってありがとうございます……！嬉しいです！！！他の作品も早く続きが書けるよう努力します！ (2020年12月30日 1時) (レス) id: 8a433fff5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんね | 作成日時：2020年11月29日 13時
