友達の居ない女子高生と大学生ウォヌさん

知らんぷり ページ37

あれから土日を挟んだけど、結局ウォヌさんからメッセージは何も送られてこなかった。



唯一届いたのはウォヌさんがゲームの体力を欲しがっているからプレゼントしてあげてねというアプリの通知くらい。



だから少しだけホッとしていたけど、やっぱりどこか不安で、そのまま少し憂鬱な月曜日を迎えることになってしまった。



今日はいつもより少し早く家を出た。



駅のホームにウォヌさんが先に着いていれば私が話しかける。私が先に居たならばウォヌさんが話しかけてくれる。いつの間にかそういった当たり前の流れができた。これはとっても嬉しいこと。




だけど、今日私からウォヌさんに話しかけるには相当な勇気を使うだろうから、ここはもうウォヌさんに話しかけてもらおうと思って早めに家を出た。





……はずだったのに。





ウォヌさんは何食わぬ顔をして駅のホームに私より早く立っていた。



どうして今日に限って貴方も来るのが早いんですか……！？



おまけに今日はマフラーを巻いているから口元が隠れていて、いつもと違う雰囲気にまた胸がドキドキしてしまう。ウォヌさんに関しては本当に私は軽い女になってしまうなと自分でも自覚していた。




私は深呼吸をした。





よし、いつも通り話しかけよう。金曜日のことなんて何も知らない素振りでいつもみたいに。





私は小走りでウォヌさんの隣まで向かい、ウォヌさんのコートをトンと軽く叩いた。





『おはようございます』





「ん、おはよ」





ウォヌさんは私に挨拶を返したあと、ずっと眺めていたスマートフォンをコートのポケットにしまい込んだ。



口元を隠すマフラーが鬱陶しいのか、少しだけマフラーを下げて顕になった口元から白い息が漏れている。





「Aちゃん」





『はい』





「金曜日あんな格好で何してたの」





『…………』





バレてた。

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