友達の居ない女子高生と大学生ウォヌさん

気付かれた気持ち ページ24

「今日、傘持った？」





ウォヌさんは普段と明らかに違う私の様子を気に止める様子もなく、突然そんなことを聞いた。



肩の力がドッと抜けた。私何してたんだろう。ウォヌさんの清々しいほどの冷め具合に正気に戻された。



因みに傘は持っていない。朝の天気予報も見ていない。何でこんなことを聞くんだろう。ひょっとして今日は雨が降るのかな。





『……持ってないです』





「そっか」





ウォヌさんは短くそう言って、少し黙った。





「なんかさ、照れるわ」





『…………えっ？』






予想していなかった言葉が返ってきて、咄嗟にウォヌさんの方を見た。



ウォヌさんは私と目は合わせず、自分の靴を見つめながらそのまま続けた。





「そんな風に褒められたの初めて。俺のこと大好きじゃん」






ウォヌさんはクスリと笑って冗談交じりに言った。本人は冗談のつもりなんだろうけど、私はそれが冗談ではなくて……。






『えっと……』





「でも本当、嘘はついてないよ。俺女の子の友達はまじで居ないから」





そう言ったウォヌさんは切れ長の瞳を私に向けて、





「安心して」





と言った。





その仕草とセリフに、私の顔がみるみる真っ赤になっているのを感じた。



そんな私の様子を見てウォヌさんは笑いを堪えるように下を向く。



完全に、バレてしまった。この人は絶対に気付いてる、私の気持ちに。



顔を赤くしたまま何も言わない私を見てウォヌさんは言った。





「傘、誰かに借りたり途中で買ったりしないでね」





『な、何でですか……？』





「内緒」









電車が駅に着いた。

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