友達の居ない女子高生と大学生ウォヌさん

好きな香り ページ17

「だから昨日Aちゃんと話してて楽だったんだー！Aちゃんずっと俺の話聞いててくれるから。まぁ聞いててって言ったの俺なんだけど」





……実を言うと聞き流していただけの部分もちょっとだけあったけど。



こんな風に誰かに褒められたの、初めてかもしれない。裏返せば自分のことを何も喋れないつまらない人間なのに。





『……ありがとね』





「うん！あと俺ね、Aちゃんの匂い好きなんだ」





『え？』





「あっ待って、今のすごくセクハラっぽかったけど違うよ。そういう意味じゃなくて……でも違う意味なんて無いか。とにかく良い匂いがするというか……」





……ひょっとして、昨日気合を入れて付けてきたボディミストの香りかな。

月水金だけにすこーしずつ付けてたりなんてしたら一生なくならない気がして、今日もなんとなく付けてきたけど……。



……そっか。少なくともミンギュくんはこの香り好きなんだ。



モワモワと脳裏に思い浮かぶのはウォヌさんの顔。ウォヌさんはこの香り好きだったかな。毎日身に付けていたらいつか褒めてくれたりするのだろうか。



思えばミンギュくんとウォヌさんって物凄く正反対な気がする。



２人とも背が高くて格好良いけど、ミンギュくんは犬系男子でウォヌさんが猫系男子。



未だにオドオドと弁明を続けているミンギュくんに私はクスリと笑った。





『ありがとう。気にしてないから大丈夫だよ。私で良ければ、この時間だけならお話聞くよ』





「ほんと？でもそれじゃ毎日早起きしなきゃだなぁ。今も眠くて眠くて……」





そう言いながら大あくびをかますミンギュくん。そういえば私が教室に来る前も、机に突っ伏して眠っていたようだったし、生活リズムを急に変えるのは大変かも。



でも、私がミンギュくんとお話できるのはこの時間だけだし……。

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