【wrwrd】彼こそ異端者なり【男主】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:16,455 hit

大阪観光と異端者50 ページ6

「凄い、細い通路に飲み屋が沢山ありますねー！」

彼は先程の怒りは何処へやら、道頓堀に続いて嬉々としてカメラを取り出し風景を撮っていた。

ちなみに異端者モードになった理由は『偉ぶってるという意味で秘書という単語を選び俺を侮辱した』というものらしい。
そこ！？と一同思ったが彼はクーデター前、副知事を務めていた為苦労を知っており、似た立場の『秘書』を一般人が侮辱したことを怒ったようだ。
まぁ、『異端者』の意味は人とズレているという意味だからしょうがない。

とにかく、通天閣までの道を歩いているとふと彼の足は止まって一つの店を撮り始める。福岡君は俺と共に最後尾にいたので他メンバーは気づかず先に行こうとしていた。先頭を呼び止めて彼が撮っている店の名前を見た。

「スマートボール...？」

「レトロだね、入ってみない？」

「時間はあるから入ろうや」

ゾロゾロと入ってみるとどうやら昔のパチンコみたいなものらしく結構な人がそれぞれ台に座って遊んでいた。俺らもそれに倣って台を選び、100円を入れて遊んでみる。パチンコ玉ではなくビー玉のようなものがどんどん流れてくる。

「この玉200個でぬいぐるみと交換ですよ！ぬいぐるみ欲しいですね！」

彼はハイテンションでレバーを引く。才能があるのか次々とアタリを叩き出して台がビー玉を吐き出す。俺らはすぐゲームオーバーになったが彼は100円だけでエンドレスで遊んでいる。
全く終わらないので横から無言で彼の台に流れてくるビー玉を一部奪って俺の台に投入。遊び始めたがやはりすぐゲームオーバーになってしまう。諦めて大人しくみる事にする。

____
__
_

通天閣の展望台で彼は小脇に200個交換の景品だった関西広域連合のゆるキャラ『うつモン』ぬいぐるみを抱えて写真を撮り始めた。メンバーもモデルになりポーズをとったところで展望台から降りる。その際に俺は彼のカメラを借り、通天閣を離れるときに振り向きざま最後尾の異端者君を捉えシャッターを切った。

___
__
_

大阪観光を終えた俺らは再び府庁へ戻り福岡君が撮った写真を揃って見始めた。一部はカメラを借りた俺らが撮ったものだがブレていたり半目の顔だったり微妙なものが多い。

「これ福岡君綺麗に写ってるね」

俺は目に飛び込んできたぬいぐるみを抱えスキップしながら通天閣を後にする福岡君の写真を持ち上げる。

____
更新遅れます。
(補足)
スマートボールの店は実際に通天閣を訪れる道中にあります。