【wrwrd】彼こそ異端者なり【男主】 (ページ23)

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異端者の裏側67 ページ23

まことしやかにその噂は道庁に広がっていった。

最初は「そんな馬鹿な」と笑い飛ばしたのだが今俺は自分でもわかるほど青ざめていた。

頭は無意識に今日の朝の出来事を思い返す。

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朝から俺は北海道庁を走っていた。

軽く走った勢いのまま道庁の隅にある部屋の扉を開ける。旧関西広域連合のメンバーがそこで勝手にボードゲームやらTRPGやらやっている。属国となっているのに楽しそうだ。

加わりたいが今はそんな事をやっている暇はない。俺は無言で旧メンバーと楽しそうな会話をしながら某街コンカードゲームをやる大先生を後ろからぶん殴った。

「いって！！誰や！？...あぁグルちゃんか」

「お前コレなんだ？」

笑っている彼に先程前線にいた軍から送られていた封筒を突きつける。封筒をみた大先生は一瞬で笑顔が引き攣りどんどん顔色が悪くなる。

「いや、それは...なんでここにあるんや...」

「前線の軍が県庁の職員が潜んでいた場所を見つけて叩いたらコレを隠し持っていたそうだ。この書類にお前のサインも確認したから知らんとは言わせんぞ」

俺がそう言うと黙り込んだ。今までに見た事ないくらいの顔色の悪さだ。異様な空気にメンバーもやってくる。

そして観念したかのように彼は一言消えいるような声で呟いた。

「...偽造活動報告書やソレは」

「何でお前そんなもの作ってんねん」

トントンが横から俺が持つ封筒をひったくって中身を覗く。しばらくしてトントンは驚愕したように大先生を見た。

「お前コレって連合メンバー庇って...」

「綺麗に偽造されとるやろ？...本当のデータは福岡君が核でもろともぶっ飛ばしたけど」

「お前がこの膨大な量の偽造書類を書けるとは思わんな、アイツだろう。何故こんなものを...」

「福岡君の裏側を知らんからそう言えるんやな」

声が震えている。大先生は旧メンバーと俺の前でポツリポツリと真相を話し始めた。

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「うわぁ...凄いですねー」

職員の惨敗報告を聞きながらテレビの「西海州を許すな」コールをするデモを見ている。徹底的に悪役になり代わったのはいいのだが流石にちょっと凹む。

前線を映し出すモニターも悲惨である。メンバーの徹底抗戦を間近で何度か見ていたのだが実際にこの立場でやられるとどうしようもない。

俺はため息をついた後なおも報告を続けている職員に休暇命令を出した。そんな命令をされると思ってなかったようでポカンとこちらを見ている。