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67。 ページ2

何がどうなってるのか、本気で訳がわからない


頭の中が、疑問符ばかりで埋め尽くされる


マイクを通して誰かがしゃべってる声も、だたのうるさい雑音


気持ちの整理なんかつかないまま、始業式は終わってたみたいで


恵「A………教室帰るよ?」


かろうじてその場に立ってるあたしに、恵美が声をかけてくれた





ここで力を抜いたりしちゃだめだ


感覚がなくなりかけてる両手を、さすり合わせるように胸の前で握りしめて


恵美に促されてようやく一歩を踏み出せた





講堂から教室に戻る廊下の途中で、『村上先生どうしたんだろうね』って誰かが言ってるのがちらほらと聞こえてくる


でも、その答えを教えてくれる人はひとりもいなくて


並んで歩いてるあたしと恵美を


大勢の生徒たちがどんどん追い越して行く


しっかり歩いてたつもりだったのに


前方に『保健室』と見えた途端





なぜか


あぁ、ここでなら気を抜いちゃってもいいやって、妙な納得をしてしまったのを覚えてる





遠ざかる意識





恵美の驚いた表情と


隆ちゃんと錦戸先生の声が聞こえたことが


視界が真っ黒になる前の





最後の


あたしの





幻のような記憶






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



………………………………笑ってる


初めて会った時の村上先生とサッカーボール




あれ………?


サッカーボールって、白黒じゃなかったっけ………





色のない景色


その景色の中で、村上先生があたしを見て笑ってくれてるのに


あたしも、村上先生に向けて手を伸ばそうとするのに


嘘みたいに腕が動かない






この景色の中ですら


触れることは赦されないの………?





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




………重く固まった手に、誰かの温もりが感じられて


反射的に握り返した




「………A!!」


「え!?有希先生、A気がついた!?」




……………すごく安心できる、2人の女の人の声がうっすら聞こえてきて




自分が自分に戻ってきたような、不思議な感覚


自然に目が開いて、一瞬眩しさに顔をしかめた





恵「A!!Aわかる!?」


有「A!!…………よかった、気がついた…………………気分悪くない?」




A「………恵美……有希ちゃん………?」


しっかりと目を開けれるようになって、かすれた声で2人の名前を呼んだ

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作者名:C.O. | 作成日時:2018年6月13日 12時

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