×××37 『あったかいや。』 ページ37
＿＿＿ _
何度目かの寝返りをうつ
Aが隣りにいる
今日はもう遅いから 流れで泊まっていくことに…
ゴソゴソ
あ、また…
いや、別にだから眠れないわけじゃない。
…………
そのままの姿勢でAが隣りにいる方向の壁をジーっと見てた。
ドンッ
ガタッ
バタンッ！
『あーッ！なんだよっ⁉』
ガバっとベッドから出てドアを開けると、
Aが枕を握りしめて立っていた…
「……あ、……さっきのっ！ホラーなんか見たからっ、寝られへんくなったやんかっ！」
俯いていたAが顔を上げた…
『…キャーキャー喜んで見てただろーが。』
「あっ、あれはこわかったからやしっ……ジヨンちゃん…一緒に寝ても…」
『部屋戻れ。』
ドアを閉めようとしたら
『あっ！おいっ⁉』
「わぁー！やっぱジヨンちゃんのベッドふっかふかやなーー♪」
＿＿ ＿_ _
＿＿ _＿ ＿ _
「ジヨンちゃんと寝るの久しぶりやな」
「寝られへん時はジヨンちゃん…
ふふっ笑 …ひつじっ数えてくれた」
Aはこんな感じでずっとしゃべり続けている…
ひつじ？ あー…思い出した…
「あの時のジヨンちゃん必死でかわいかったなぁ」
は？ よく言うよ。ずっと泣きじゃくって泣きやまねーんだから。ほんとにどうにかなるんじゃないっかって…
Aが子どもの頃、寝れないって言う時に決まって見る夢…
『……あの夢…まだ見る？』
「………………………」
ピタッ
背中に感じる柔らかな感触…
Aの手が 俺の腰にまきついた
「…ジョンちゃんと一緒だと見ないよ。」
ぎゅーー
背中越しに感じるAの鼓動…
‘‘トクントクン…
トクンッ
「ジヨンちゃん…あったかいね。」
大きく心臓が跳ねた…
「ジヨンちゃんは？」
俺の腰にまわされたAの細い手
その手の上に自分の手を重ね…
ぎゅっと、握った。
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作者名：林檎 | 作成日時：2016年8月7日 1時
