恋人同士 ページ4
つくしが席に戻っても尚、一方向からじいぃ…と視線を感じたが、無事に食器洗いを終えたAと吹雪。
特に何の会話もなく、部屋まで送ると言ってくれた吹雪と無言で肩をならべて長い廊下をあるくA。
そんな中、先に口を開いたのは吹雪だ。
吹雪「水瀬さん」
A「はい?」
聞いていいのか分からないけど…と躊躇いながらも続ける吹雪。
吹雪「野坂くんとはどんな関係なの?」
A「え、悠馬…ですか?」
Aの幼馴染み、彼とどんな関係なのか。突然の質問に戸惑うA。
吹雪「もしかして…恋人同士だったりする?」
A「へ…!?」
何時になく真剣な顔で問うてくる吹雪。
一方でAは、「違います違います!」とぶんぶんと首を左右に振って、「ただの“幼馴染み”です!」と幼馴染みを強調するようにを少し圧をかけて言った。
そんなAに吹雪は「そっか…」と何処か安心したように表情を緩めた。
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A「すみません、わざわざ送ってもらっちゃって…」
申し訳なさそうに眉をハの字に歪めるA。
そんなAに、「気にしないで」と頭にぽんっと手を置いた吹雪。
そんな吹雪の行動にAは頬をほんのり染める。
互いにおやすみなさいと告げれば、
ゆっくりとドアが閉まる。
Aを見届けた吹雪は本来の目的である彼の部屋へと足を運ぶ。
ーーーー
「“ただの幼馴染みです!”」
ーーーー
ゆっくりとした歩調で歩きながら、先程のAの言葉を思い出す。
吹雪「…僕にもチャンスはあるよね」
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作者名:きなこ x他2人 | 作成日時:2019年8月16日 23時