約束 ページ9
廊下を走って、私は自販機の前へ到着した。
A「ええっと、リンゴジュースは…あ、あった!」
Aは、お茶 コーヒー スポーツドリンクなど沢山の種類の飲み物が並んでいる中でお目当てのリンゴジュースを見つけると間違えないように一度青く光るボタンを白く細い指で押した
。
両腕でリンゴジュースを抱え、部屋へ戻ろうとくるっと後ろを向いた。
次の途端、静かな廊下にカラン、コロンという音がより一層響きわたる。
そして「こんばんわ。水瀬さん。」と甘くて優しい声が脳に響き渡る。
私の視界に入り込んだのは、にこにこと微笑みふんわりと整った見飽きているほどの顔。
その顔との距離は僅か10cm。
どちらかが少しでも顔を前に動かせば
…………
その先を想像してしまったAは顔をみるみるうちに真っ赤に染める。
A「ふふふふふふふ吹雪さん!?」
吹雪「水瀬さんもリンゴジュースが好きなんだ」
吹雪は僕もだよ。と微笑む。
A「ち、ちか、近いです吹雪さん!」
Aが顔を染めて言えば、「ああ、ごめんね」と言って離れてくれた。
A「でも吹雪さん、どうしてここに?」
吹雪「ああ。水瀬さん何飲むのかなって。驚かせてしまってごめんね」
吹雪は「じゃあね」とAの前から立ち去る。
A「あ、あの!」
と、Aは吹雪の背中にありったけの声を振り絞り声をかけると吹雪はくるっと後ろを振り返り首をコテンとかしげた。
A「あ、の、少し相談したいことがあるんですけど、部屋に来てもらえませんか…?」
言った!とAはぎゅっと目を固くつむる。
吹雪「うん。勿論いいよ。でもかたずけたいことがあるから今から20分後でもいいかな?」
まさかのOKがもらえて心の中は興奮状態で二ヤけてしまいそうな顔を必死にこらえて、なんとかポーカーフェイスを保つ。
A「はい…!ありがとうございます!」
そして2人は、またあとで。と自身の部屋へと戻っていった。
20分後に薬の効果で吹雪さんと……なんて続きを想像しては一人で浮かれる。
Aはまだしらなかった
まさか自室であんなことになっているなんて。
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時