壁ドン ページ25
練習後。今日は散々だったと、タオルと間違えてしまった吹雪のジャージを洗うため胸元で抱えたAは大きいため息をついて廊下を力なく歩く。
風丸「A?」
A「風丸さん…!」
逆方向から歩いてきた風丸とばったりはちあわせたA。
そしてふと、風丸が言葉を発した
風丸「そう言えばA、今日何かあったのか?」
A「さすがです風丸さん。鋭いですね…」
あははと乾いた笑いを溢すA
風丸「……!もしかして、」
A「な、何ですか?」
まずいぞ。相手は感の鋭い風丸さんだ…
ばれた…と目を瞑るAは次の瞬間間抜けた声を出すことになる
風丸「A、まさか……階段から落ちたんじゃ?それで頭とかぶつけたんじゃないか?」
A「……は?」
絶対にそうだ…いつも男みたいなAが今日みたいに静かで天然なのはおかしい……と一人で考えを出しては頷いている風丸さん
そして私は彼の地雷を踏みつけてしまう
A「な…!そんなこと言ったら風丸さんだって女の子みたいじゃn……っ!」
Aの体をドンっと壁に押し付け
顔の横に片手をおく風丸
そして戸惑うAに、風丸はいつものような優しい顔ではなく、怖いほどに睨みをきかせた目で、空いた方の手で、顎をぐいっと持ち上げ目を合わせさせる。
風丸「ふーん。ここで襲われたい?」
A「ひゃ…っ」ピク
そう耳元でいつもより低い声でつぶやいた風丸。
耳に風丸の吐息がふっとかかり、反応してしまったA
風丸「……………なーんてな。」
A「……へ?」
風丸「どうだ?反省したか?」
そういってふっと笑みを溢す風丸。
A「は、い…すみませんでした…」
Aは顔の熱が覚めぬまま視線を宙に泳がせて控えめに笑う。
風丸「もう言葉には気をつけろよ?」
A「分かってますよ……さっきので風丸さんの怖さがわかりましたし…」
そう言えば風丸は、よろしい。とAの頭を無くしゃりと撫で回して立ち去っていく。
風丸「あ、でも」
と思いきや、何かを思い出したかのようにくるりとAの方に振りかえる
そして悪戯っ子のような笑みを浮かべて言った。
「襲われたいなら話は別だけどな。」
それじゃあ。と今度こそ去っていった風丸の後ろ姿を見つめていたAはさき程の言葉に再び顔を染めて、風丸の姿が見えなくなると、その場にへたりこんだ
A(び、びっくりした………////)
338人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きなこ x他1人 | 作成日時:2019年2月10日 0時