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四十四話 ページ4

 
 
 
 
「 私は君が好きです 」




「 ………は 」




私の言葉に戸惑いを隠せない竜胆くん




その間抜けな表情を見ていては我慢ならず吹いてしまった




「 ッふ、はは…ッ!どうです、竜胆くん。


 この言葉は君が"1番最初に聴いた"男性ですよ 」




なんて目を細めつつ口角を上げ、制帽を上げる




すると突然。視界が大きく揺れ、身体全体に温かみを感じた。




ふわりと香る蘭くんと一緒の匂い




だけど、どこか違う感じで




「 りん、ッどうくん……? 」




「 …………… 」




竜胆くんの髪が私の頬に当たり、擽ったい




「 ……ッ俺、…俺も、お姉さんの事好き 」




「 え、……いや、冗談で…… 」




「 大事にする、俺がお姉さんをぜってぇ幸せにする 」




「 ………ッ!?り、竜胆くん起きて!? 」




火照った彼の瞳が私を捉え、言ってはいけない言葉だと分かった直後




私は彼の後頭部を軽く叩いた。







──────────







午前6時、六本木ヒルズ展望台




あの後は2人で取り払われていないイルミネーションを見つけ写真を撮ったり




交番に1度戻り、暖を取ったりと時間を潰していた。





「 うわぁ……!凄い…綺麗………ッ 」




特別に交番の方から許可を貰い、展望台から昇る太陽を眺めていた




去年は叶う事が出来なかった初日の出




隣に立つ竜胆くんもその美しさに見惚れていた




「 ───俺と兄貴は、縛られてる 」




急に意味深な言葉を吐いた竜胆くんに私は反応する




「 誰にも砕く事が出来ねぇ、硬い"鎖"に 」




太陽の光が彼の顔に当たる




そっと吹き始める風はどこか鋭く痛いもので




「 それを、お姉さんがぶち壊してくれ 」




ふと此方に視線を向けた竜胆くんの表情は"何か"を訴えてる様に見えた




「 ……どんなに硬い鎖でも、


 私が1発でぶち壊してみせますよ。


 なんたって、私は六本木交番の警察官


 "上條A"ですからッ 」




ニッ、と笑って見せると竜胆くんは安心したのか目を伏せ




「 約束、したからな 」




と、小さくそう告げた。

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水誓 凪鴉@熟慮の精神(プロフ) - あぅぅぅぅ...続きとっても気になります...楽しみにしていますね、無理のない範囲で頑張って下さいッッ...!(なんか上からっぽくて申し訳ない...) (2021年8月22日 1時) (レス) id: 5d0d0234c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音楼ぽた子 | 作成日時:2021年8月18日 14時

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