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続き ページ37

彩side

そして、6日目の放課後。
私は川崎くんと別れて家に帰ってから今日の秀明の予習を終わらせて、考える。

川崎くんは予想以上にいい人だった。
友達としても彼氏としても申し分のない人。
正直、2日目まではあんまり、だったんだけど...。
だってなんだか違和感があったんだもの。
なんか随分と図書室で話していた時と違すぎて。
なんだか...チャラかったんだ。
それも少し不自然に。

だから、少し勇気を出して3日目に聞いてみたんだ。

「川崎くんって、本当はそんな性格じゃないよね...?」

そう言うと川崎くんはギョッとしたように私を見て、分かりやすく狼狽えたんだ。

「え、えぇっと...あ、そんなことないよ!?
俺、元からこういう性格!」

そう言ってぎこちない笑顔を浮かべる。

...川崎くん、演技下手すぎだよ。

「嘘、でしょ?」

少し強く聞くと、呆気なく認めた。

「...はい。ごめんなさい。」

「どうして、そんな性格を偽っていたの?そんなことされたら、私、いつまで経っても貴方のことしれないじゃない。」

私がそう言うと川崎くんは驚いたような表情を浮かべて、嬉しそうに笑った。

「...ありがとう。」

突然、お礼を言われて戸惑う。

「俺のこと、真剣に考えてくれて。俺、あのあと、少し後悔していたんだ。立花さん、優しいから、俺が無理やり言うから仕方なく1週間付き合ってくれてるのかなって。だから、嬉しい。」

そう言って自然な表情で柔らかく微笑まれ少しドキッとする。

...ん。やっぱり自然な方がいいよ。

そう思ってニッコリしていると、川崎くんは少し俯いて話し始めた。

「...俺さ、すっごく焦っていたんだ。」

え?

「立花さんって、俺のクラスの片山とか、立花さんと同じクラスの七鬼、転校した美門とかと噂されてたからさ。そんな人気な奴らと一緒にいたなんて俺、絶対勝ち目ないじゃんって。それで...諦めようと何度もしたんだ。立花さんのこと、好きでいるの。」

そう言うと川崎くんは顔を上げて、真っ直ぐ私を見つめる。

「でも、俺、どうしても立花さんのこと諦められなくて...。こうなったら、せめて告白だけでもしようって。精一杯足掻こうって。そう思った。だから、イメチェンした。少しでも立花さんにカッコいいって思ってもらえるように。それで、性格もモテてるやつの真似してみたり。.......でも、それ間違ってたよな。俺が俺じゃないのに立花さんに好きになってもらっても意味無いもんな!」

そう言ってニッコリと笑った。

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セダム - Kokone♪さん» はい、勿論です!私もいつか書いてみたいと思ってたんです(*´∀`*)ありがとうございます! (2018年10月7日 16時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - もしも3を書くんでしたら、悠飛と砂原に出会いも書いてくれますでしょうか? (2018年10月6日 11時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» いえ、次は、一旦他のものを書こうと考えています!最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年10月3日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 〜3〜も書かれるのですか?書かれるのならば、凄く楽しみです! (2018年10月2日 22時) (レス) id: 808e94c518 (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2018年9月14日 21時

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