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彩side
勢いよくそう聞くと苦笑される。
「凄くいい話だったよ。でも、立花さん。今は、その話じゃないでしょ?」
あ...。ごめん。
シュンとしていると川崎くんが私の頭を優しく撫でる。
驚いて見ると川崎くんがハッとした表情になり、慌てて離れる。
「ごめっ...俺、妹がいていつも妹が落ち込んだりしてるとこうやるんだ。それで、つい...。ごめんね。」
顔を赤くさせながら謝られ、私は少し笑う。
「ううん。大丈夫だよ。...それで、あの、返事、なんだけど...。」
そう言うと一気に川崎くんの顔が真剣な表情に変わる。
私は少し大きく息を吸って、言った。
「...ごめんなさい。私、」
そう言って断ろうとすると、途中で川崎くんに遮られた。
「待って、立花さん!」
へ?
「えっとさ、正直、立花さん、まだ俺のこと、全然知らないよね?」
う、うん。
「だから、断るにしろ、もっと俺のこと知ってから断ってほしいんだ。えっと、その...1週間!1週間だけ、俺に時間をください!俺と友達になって、それで1週間後、返事、してくれませんか...?」
真剣な目で見つめられ、私はたじろぐ。
だって、私、今は1番KZが大切。
砂原とのことがあったときにも思ったけれど、多分、私にはKZと恋愛の両立は出来ない。
そこまで私は器用じゃないから。
だから、川崎くんがどんなにいい人だとしても断るしかないんだもの。
それなら、今きっぱり言ってあげた方がいいんじゃないかな。って思ったんだけど...。
こんな目を向けられたら、そんなこととてもじゃないけど出来ない...。
私は小さく溜息を零して言った。
「...分かった。1週間後、返事するね。」
「っ!ありがとう!!」
川崎くんが満面の笑みを浮かべて言う。
そして、少し困ったように私を見た。
「あのさ、俺が引き止めておいてなんだけど...もう、時間ないかも。」
その言葉に私は慌てて時計を見て、真っ青になる。
げっ、もう20分過ぎてる..。
私は川崎くんへの挨拶も程々に全力ダッシュ。
結果、私は授業開始10秒前くらいに席についた。
でも、とっても疲れた...。
もう二度とこんなギリギリは嫌よ!
心の中でそう決意しながら何とか授業を受けた。
あ、国語の予習してない...。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
それから6日間。
私は川崎くんと一緒に帰ることになった。
本当は朝と昼も一緒にいよ。って言われたんだけど、それは目立つからって断らせてもらったんだ。
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セダム - Kokone♪さん» はい、勿論です!私もいつか書いてみたいと思ってたんです(*´∀`*)ありがとうございます! (2018年10月7日 16時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - もしも3を書くんでしたら、悠飛と砂原に出会いも書いてくれますでしょうか? (2018年10月6日 11時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» いえ、次は、一旦他のものを書こうと考えています!最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年10月3日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 〜3〜も書かれるのですか?書かれるのならば、凄く楽しみです! (2018年10月2日 22時) (レス) id: 808e94c518 (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2018年9月14日 21時