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彩side
優くんたちを見送り、私たちは人の流れに乗ってどんどん前に進んでいってたんだけど...。
私は次第にどんどん人に流されてみんなと離れそうになる。
うわっ、はぐれるっ!
慌てていると、誰かが私の腕を掴んでグイッと引き寄せる。
「ったく。1人でどっか行くなよ。お前、ケータイ持ってねぇんだからはぐれたら面倒だろ。」
そう言いながら、上杉くんが呆れたように私を見る。
それを見ていた若武が騒ぎ出す。
「おい、お前らいつまでくっついてんだ。上杉、お前、手を離せっ!」
そう言われ、上杉くんがバッと勢いよく私の腕を離す。
「...っ、ごめん。」
どんどん上杉くんの顔が何故か赤くなっていくので私まで赤くなる。
「い、いや。あの、ありがと。」
「だから!そこ、イチャつくなっ!」
すかさず若武が怒鳴ってくる。
もう!うるさいわねっ!
別にイチャついてなんかないわよっ!
「若武、お前いちいちうるせぇんだよ。今だって、別にイチャついてねぇし。立花が人に流されて迷子になられたら困るから掴んだだけだ。お前とは違ぇんだよ。バーカっ!」
「はぁ!?んだとっ!?お前、もっぺん言ってみろよ!」
「あぁ。何回だって言ってやるよっ!」
そう言って2人は取っ組み合いを始める。
またか...。
みんなで思わず苦笑する。
でも、その間にも周りには人が沢山いて、また私は流されそうになる。
何とか流されないように踏ん張っていると、キュッと突然手を握られた。
そちらを見ると翼が悪戯っぽく微笑んでいた。
「また流されたら困るでしょ。でも、お静かにね。若武が気づいたらうるさいから。」
ん。ありがとう。
すると、それに気づいた黒木も近寄ってきて反対の手を握る。
私が黒木くんを見つめるとふわっと微笑まれる。
「美門だけにいい思いをさせるのは惜しいからね。」
いい思いってなんのこと?
少し疑問に思っていると、空気を読まない忍が私たちに気づいて叫んだ。
「あぁ!黒木と美門が立花と手繋いでるっ!」
その声に、他のメンバーが勢いよく振り返った。
「あ、本当だ!」
「おい、お前ら何してんだ!」
「どさくさに紛れて手繋いでんじゃねぇよ!」
「だって、このままじゃ、アーヤどこか行っちゃうよ?」
「ん。俺らはあくまでアーヤを迷子にさせないように捕まえていただけだよ。」
怒鳴り散らす若武たちの一方で翼たちはとても落ち着いている。
うーん。どうして同じ年なのにこうも違うのだろう...。
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セダム - Kokone♪さん» はい、勿論です!私もいつか書いてみたいと思ってたんです(*´∀`*)ありがとうございます! (2018年10月7日 16時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - もしも3を書くんでしたら、悠飛と砂原に出会いも書いてくれますでしょうか? (2018年10月6日 11時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» いえ、次は、一旦他のものを書こうと考えています!最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年10月3日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 〜3〜も書かれるのですか?書かれるのならば、凄く楽しみです! (2018年10月2日 22時) (レス) id: 808e94c518 (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2018年9月14日 21時