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和晃side
俺は半ば無理やり母さんに家を追い出され、仕方なく兄貴を探しに行く。
まあ、兄貴は目立つことが大好き人間だから、見つけやすいんじゃね?
そんなことを考えながら、神社に向かう。
が、俺の考えが甘いことを思い知った。
...いや、こんなに人いたら、いくら目立つことが大好き人間だからといっても見つけらんねぇよ。
しかも、あいつ、チビじゃん。
大人も多いのに見つかるわけがねぇ...。
絶望的な気分に浸る。
...あんな奴ほっといて家に帰ろっかな。
そんなことを思ってみるが、それもすぐに打ち消された。
なぜなら、LINEで母さんから"臣ちゃんに財布とケータイを渡すまで家に入れてあげないから。よろしく〜!"っと書かれていたから。
冗談じゃねぇ。
わざわざ友だちとの誘いを断ったのに、何が悲しくて1人で年越さなきゃなんねぇんだ。
...こうなったら、何がなんでも見つけてやるっ!
俺は必死に頭を働かせる。...が、いい案も浮かばず、最終手段。
大きく息を吸う。
「.....若武和臣_______________っ!」
思いっきり叫ぶ。
周囲の人間がギョッとしたように俺を見て、ヒソヒソと話し始める。
クッソ。
マジで恥ぃー!
赤面しながら、俺は叫び続ける。
だが、あいつの姿は一切見えない。
...マジであいつ、覚えてろよっ!
そして、怒鳴りながら、前に進む。ということを何度も何度も繰り返していると、
「ほんとにガキだな。」
そんなフレーズを言った声、俺と同じ黒髪のサラサラの髪。身長。威張り方。
...絶対兄貴だ!
俺は確信して叫んだ。
「あぁ!いた!こんの...バカ兄貴っ!」
その言葉に、兄貴といた奴らが一斉に振り返る。
その中には、兄貴と付き合いの長い、上杉兄と黒木兄がいた。
2人は俺を見て眉を軽く上げた。
「お、和晃じゃん。久しぶりだな。」
「さっきっからうるせぇ奴がいんなって思ってたらお前かよ。何、兄貴の真似してんの?」
はあ?
俺だって好きで騒いでたわけじゃないし、こいつの真似なんかするわけがねぇだろっ!
そう思っていると、その中で唯一いた女の子が目を大きくして俺を見つめる。
「えっ!若武の弟さん!?」
「はい。いつもこのクソ兄貴がお世話になっています。こいつの弟の和晃です。」
そう言うと、なんだかやたらと顔の整っている中性的な顔立ちをした奴が面白そうに俺を見てくる。
「へえ。君、若武の弟?良かったね、兄さんに似ずに礼儀正しくて。」
その言葉に兄貴はムッ。他の奴らは爆笑し始めた。
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セダム - Kokone♪さん» はい、勿論です!私もいつか書いてみたいと思ってたんです(*´∀`*)ありがとうございます! (2018年10月7日 16時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪ - もしも3を書くんでしたら、悠飛と砂原に出会いも書いてくれますでしょうか? (2018年10月6日 11時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» いえ、次は、一旦他のものを書こうと考えています!最後まで読んで下さりありがとうございました!! (2018年10月3日 18時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉 - 〜3〜も書かれるのですか?書かれるのならば、凄く楽しみです! (2018年10月2日 22時) (レス) id: 808e94c518 (このIDを非表示/違反報告)
セダム - 彩葉さん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月30日 19時) (レス) id: 0373634970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2018年9月14日 21時