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「っ！」
おいしい〜まろやか〜！！
珈琲の深みのある苦さに、牛乳のまろやかさが加わり、上品で口当たりの良い味を生み出している。
もっと早く飲んでおけば良かった……
「美味しいっすよね」
「ええ、誠に」
こんなの無賃で飲めるなんて、何て罪な事をしているのだろう。
高いし。物価が変わったのか？いや、それにしても……
「こんな美味しい物、タダで飲んでしまうなど僕の気が許せない。どうか、お願いですから返させて下さい」
「あー……そこまで言われるとなあ」
逆に困らせてしまったか。
然し、此の儘では僕が此の罪悪感を拭えなくなってしまうだろう。
山本君は一気に半分程飲み干すと、カップを置いて此方を見据えた。
「それで、朝倉さん先程まであそこら辺うろついていたんですか？」
「んー、これからどうしようかなぁみたいな」
「……失礼ですが、お仕事は」
「小説家、とでも言っておくかな。いや、元々は教員だっのだけれど」
「あまり、売れ行きが良くないんですか？」
「んー……」
如何しよう、此処は手っ取り早く転生したと言いたいところだが、果たして信じて貰えるだろうか。
否、僕が山本君の立場であったらそんな事信じないであろう。だって余りにも論理に欠けているじゃないか。
「朝倉さん、袴を着ていらっしゃいますけど、和装お好きなんですか？」
「まぁね」
現代は洋装が主流の様である。
街往く人々は皆洋装で、僕の方に視線が集まる位には和装が珍しく、先程の少年も僕の服装を物珍しがっていた。庶民に手の届きやすい価格になったのか。そう云えば少年は、着物の方が高いと言っていた。
需要が無くなったのか？
「素敵ですよね。でも、動きにくかったしません？」
「いや、そんな事ないです」
考えた事ない。
だって、洋装なんて、汚したら如何しようとか、 気が張ってしまってしょうがない。
「どうして大正時代を調べていたのですか？」
さぁ困った。もう素直に言うべきか。
然し、如何説明すれば……
山本君は天井を見上げて、何処か懐かしむ様な口調で語りだした。
「大正時代って、凄いっすよね。本当に激動の時代っていうか」
時々笑いを挟みながら彼は言葉を紡ぐ。
「あれ、十五年位しか無かったのに、歴史を大きく変えたーみたいな。凄くないっすか？其処から昭和に入って大きな戦争をして……」
戦争？
山本君は僕の思考を汲んだのか、申し訳ない、と一言言ってカフェミス……かふぇおれ？を飲み干した。
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アリてる.冷花(プロフ) - すにすなさん» コメント有難うございます！私も覚えてますよ！！本当に嬉しいです頑張ります！ (4月3日 11時) (
レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
すにすな(プロフ) - 昔Riruriという名前でコメしたものです。このお話ずっと大好きです。これからも楽しみにしています！ (4月3日 11時) (レス) @page20 id: b675f659fc (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - さくさくパンケーキさん» コメント有難うございます。本当ですか！？とても嬉しい限りです。更新頑張ります！ (2022年3月10日 17時) (レス) @page7 id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
さくさくパンケーキ(プロフ) - とっっっても面白いです！占ツクの中で一番です！！更新楽しみにしてます！ (2022年3月10日 16時) (レス) @page7 id: c7ea56a150 (このIDを非表示/違反報告)
アリてる.冷花(プロフ) - ひろぽにうむさん» コメント有難うございます。更新頑張ります！ (2022年3月10日 16時) (レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリてる.冷花 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wuashyt8942/
作成日時：2022年3月8日 17時
