第四節 pray ページ6
NOside
「んだ此処。妙に小綺麗だな」
「わぁ〜素敵！キラキラしてる！」
「でも不思議だネ。鳥居があるのに道の先に在るのは十字架の付いた教会だ。道の脇には灯籠なのに所々天使の彫刻が在る」
花子の云う通り、澄み渡る青い空の下には蝶が舞い、狐が居て、烏居の先には不釣り合いな教会。
やけに綺麗だが教会自体はそこ迄大きくなく、唯々その厳かに建つ物だけが静かに花子達を待ち構えているだけだった。
「此の先に零番とやらが居るのか？」
「だと思うんだけどねェ……」
「でも、入りずらくないかしら」
「でも入らない事には何も始まらないっスよ」
「それに教会はどんな人でもドーゾって云う様な感じだったと思うんだケドなァ」
花子は仰々教会か如何かも分からないケド、と付け足した。
寧々は深呼吸をして頬を二度ぺちんと叩くと、扉に手を掛けてー気に押した。
「えっ……！凄いっ」
中に入ると思ったよりも広く、ステンドグラスからの光が降り注ぎ、パイプオルガンが在って、十字架が在り、それでいて素朴でシンプルないかにもそれらしい造りだ。
寧々は目を輝かせて建物に見とれ、光は驚きの余り入りロの方で口をぽかんと半開きにして棒立ちに成り、花子は浮いて建物の柱等を突ついていた。
寧々が説教台の方へ向かうと突然ある声がした。
「あら、こんにちはお嬢さん方。ようこそ」
寧々はきょろきょろ辺りを見廻していると今度は耳元で囁かれた。
「こっちですよ。こっち」
寧々は後ろを振り向くと、ひーっと声を挙げて三歩程後ろへ下がった。
其処には少女が居た。少女の服装ですらシスターの様な、巫女の様な曖昧さがあった。
「あーそんなに驚かなくたって。私は何もしませんよ！今日は何しに此処へ？祈りに来たのですか？それとも私に何か相談でも？」
「い、いやぁその……」
寧々が言葉に詰まっていると花子は少女の首に包丁を当てがい乍ら言った。
「やあ零番。久し振り、調子は如何？」
「やっぱ此奴が零番か！」
意気込む光を片手で牽制し乍ら喋り続けた。
「ねぇ、俺の事覚えてる？」
”零番”と呼ばれた少女は空を仰いで答えた。
「えーと……この間来たユウト君ですか？」
「は？」
花子は包丁を強く握り締めもうー度問うた。
「俺の事、覚えてる？」
今度は脅す様に低い声で言う。
少女はふっと軽く鼻で嗤い言った。
「冗談です。覚えてますよ七番」
「今日、俺等が何しに来たか分かる？」
「えぇ。依代を奪いに来たのでしょう？」
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アリてる.冷花(プロフ) - 迷い猫さん» コメントありがとうございます。嬉しいです！近頃トプ画を変える予定です。 (2021年9月29日 11時) (
レス) id: 39e2327944 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 絵うま！！絵うま！！絵うま！！絵う(((殴ハイスミマセン…… (2021年9月26日 17時) (レス) id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
からす - 更新してない！(;° ﾛ°) (2021年8月30日 18時) (レス) id: b1895113ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリてる.冷花 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wuashyt8942
作成日時：2020年8月21日 23時
