第4話 ページ5
「いっ、今すぐ
「？あ〜、Aって
そんな、そんな。早すぎる。
「君が寝てる間に戦争は終わったんだ。わかる？そう。Aが帰る場所はなくなったんだよ」
開いた口が塞がらない。そんなハズないのに。
でもbroooockさんの言っていることは的を得ているとすぐに理解できた。銃声も悲鳴も飛び交っていない、青い空。
おかしいと思った。
あの地獄が終わったのかと思う大きな安堵感と、生まれてこれまで育ってきた母国が無くなったという絶望感。
つう、と頬に涙が伝う。
「……ッ、殺してください、私を」
お願い、お願いとbroooockさんに縋り付くように左手精一杯の力を込めて引っ張る。母国のために尽くすのが私の使命だったのに。何も出来なかった悔しさが溢れてくる。
それを見たbroooockさんは目を丸くし、あわあわと慣れていない手付きで私の頬をそのたるんだ袖口で拭ってくれる。
「そんな事言わないで。大丈夫だよぉ、シャークんも気に入ったみたいだし僕らと暮らそう？？」
「Aが思うほどここも悪いところじゃないよ。
きりやんさんは不器用そうにそっと頭を撫でてくれた。
私はしばらく泣いてしまった。
．．．．．．．
私には居場所が無くなったことを自分にいいきかせながら、その日の午後、
私の傍にはずっときりやんさんが居てくれて、彼の身の回りことをよく教えてくれた。仲良くしている人たちのことから、国の情勢まで。
この国は表では国王や大臣は居るものの、6人の幹部が国のことを管理しているという。さらにその6人は全員同い年であり
きりやんさんは、医師免許こそないが元々の理系脳を使い独学で医学を勉強たらしい。そこら辺の医師よりも優秀な医師だと自分では言っている。
そしてきりやんさんには特別仲がいい友達がいるらしい。名前を言ってもらったが覚えられはしなかった。
そして私は、その中の"シャークん"さんに拾われたのだと言う。
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作者名：瀬良． | 作成日時：2024年2月6日 18時
