第3話 ページ4
「ねぇなんで君それ付けてるの？」
腕を打撲したのか、大柄な彼は腕に湿布を貼ってもらったあとケロッとした顔で私に向き直ってそう聞いてくる。
この布は外からは私の目は見えず、内側からは外が見える仕組みになっている、なんとも不思議な布だ。
例えるならマジックミラーのような感じ。
「なんか、瞳を見せたくないんだって。それでさbroooock、」
あぁ、えっと……。答えをどもる私を見兼ねて医者風の彼は言葉をかぶせてくれた。赤い大柄の人はぶるーく、と言うらしい。そして医者風の人はきりやん。
「その傷、人間の力じゃ治すのは到底無理。でも、俺ともなれば治せるね！さすがに短時間じゃ無理だけど。」
「別にきりやんだって人間じゃ〜ん」
「しっ！まぁでも、治すにはにっが〜いお薬、飲んでもらうけどね。」
バチりときりやんさんのウィンクが飛んできて思ってもないことにドキリとしてしまった。
そんなふざけ混じりの会話でゆったりとした時間が流れる。
私はここがどこかも、この人達の素性も分からないのに妙に安心するような時間。
ジンジンと芯から痛む右手をぼーっと見つめているとぶるーくさんが話しかけてくる。
「僕broooockっていうよ〜」
「あ、A、です。」
名前を聞くなり満足そうに笑うぶるーくさん。
「君、ここのこと知らないよね〜？教えてあげる。ここは
これから宜しくねと笑い、きりやんさんも宜しくと続ける。
いやいや、仲良くなんて出来ない。敵国じゃないかここは！！
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作者名：瀬良． | 作成日時：2024年2月6日 18時
