【WT】少女【kn】 (ページ8)

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「え？」

「いや･･････実は他の人の絵をあまり見ていなかったんだ。このまま帰ろうかとも思ってたんだけど･･････少し興味が湧いた。君さえよければ一緒に回らせてほしい」

「え、あのでもお連れの方がいるんじゃ」

「ナンパか？きんとき」

不意に、第三者の声が私たちの会話に入ってきた。顔をあげると、そこには眼鏡をかけた金色の髪の男の子がお茶のペットボトルを持って立っている。

「外まで行ってやっと見つけた。ほらあったかいやつ」

「ああ、ごめん。ありがとう」

「で、この後どうするの」

ちらりと目線をこちらに向けられた。眼鏡の奥の双眸が、不思議そうに私を眺めている。
この状況を不思議に思ってるのは私の方だと思ったけれど、ただ縮こまってしまった。しかしきんときくんとやらは、彼と私をどうして間違えたのだろう。性別すらも違うのに。

「俺はこの子ともう一度中を見てくる。今日は付き合ってくれてありがとう」

もうこの後私と一緒に絵を見て回ることは彼の中では決定事項になっているらしかった。
このソファに腰掛けてしまったばかりに、私は良くわからない人につかまってしまったらしい。

十分前の自分の行動を恨むが、きんときくんは眼鏡の彼に別れを告げると、さも当然のように「行こうか」と呟いたのだった。