ep.195 分け与え ページ42
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自分はフロイドの話に頷いた。
「なるほど。だいたいわかった。」
「飲み込み早くてえらいねぇ、小エビちゃん。でもここまでは正直どうでもいい話なんだよねぇ。」
「？」
「大事なのはここから。トリップミラーが無理やり繋げた入り口を行き来できるのは、少しの間鏡の力を分け与えてもらったオレだけなの。」
「あ、エース達は無理だったの？」
「カニちゃんたちとか関係なく、こっちに飛ばせる限界が1人だったみたい。だからオレが行くことにしたんだ〜。」
「そうなんだ。」
「……なに。カニちゃんたちのがよかった？」
急に低い声で振り向くフロイドに、自分は肩をビクつかせる。
「へ！？いや、そんなことは……。」
「……まあいいや。」
なに、なんなの！？
貴方が本当にわかりません自分は……。
フロイドは少し不機嫌になりながらも、そのまま話を続ける。
「まあとにかく、オレしか行き来できないってのは、小エビちゃんも例外じゃないわけ。」
「ん！？つまり、自分もトリップミラーが作ってくれた出口を使うことはできないわけ！？」
「そーゆーこと。」
「え、そんなのどうすんの！？」
「だーかーら、繋いでんじゃん。手。」
フロイドは繋いだままの手をヒラヒラとさせる。
「オレと手を繋いでる間は、小エビちゃんにも鏡の力が少し分け与えられてるわけ。」
「あ、だから手を離さないでって……理解。それで本来フロイドにしか見えない出口への階段を、自分も登ることができてるのか。」
「そー。だから離したら落ちるよ。ここ真っ逆さまに。」
「なっ……怖いこと言わないでよ……。もう結構高いんだから。」
「怖いかぁ。怖いのは多分こっからなんだけどね。」
「え……？」
するとフロイドは突然立ち止まる。
「着いた。」
「着いたって……空のど真ん中だけど。」
「ここ。小エビちゃんには見えないかもだけど、ワープの穴みたいなのあるの。」
そう言ってフロイドは目の前の何もない空間を指差す。
「ここがとりあえずこの世界の出口に繋がる穴。」
「出口に繋がるって……その穴自体が出口ではないの？」
「まだあくまで脱出口ってとこかなぁ。ここ抜けないと出られねーの。」
「なるほど。じゃあ早く行こう。」
するとフロイドは、今まで以上に自分の手を強く握り締めてきた。
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
