ep.146 思想の違い ページ2
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また、両親の夢だ。
海賊船の上で2人は何か話している。
「フック、大変よ。ロストボーイズが喧嘩したって。」
「喧嘩？それの何が大変なんだ。ガキなんだから喧嘩くらいするだろ。」
「普通の喧嘩なら私だってどうでもいいわよ。でも……。」
「でも、何だ。」
「ロストボーイズの1人が、自分達も大人になるべきだってみんなに言ったらしいの。そしたら他の子達みんな怒っちゃったみたいで。」
「……。」
「思想の違いは人間にとって一番の争いの種となるわ。それは子供達も例外じゃない。最悪なのは、子供の争いはさらに無邪気で残酷ということよ。」
「で、ソイツ虐められてるのか。」
「虐め……いいえ、もっと酷い。子供達、その1人の子を殺すつもりよ。」
「……。」
「ワニの餌にしてやるって。みんなを焚きつけたのはピーターパンよ。明日をその子の処刑日にしようってみんなで騒いでたみたい。
ねぇ、フック。何とかならない？」
「……なぜ俺に言うんだ。俺はアイツらをいつも襲ってるんだぞ。助けると思うのか？」
「思うわ。だって私わかるもの。貴方が狙っているのはいつだってピーターパン1人。」
「……。」
「貴方、本当はロストボーイズを助けようとしてるでしょ。ピーターパンの魔の手から。」
するとフックは、セーレに自身の左手の代わりについているフックを見せながら口を開いた。
「俺がなんでピーターを嫌ってるかわかるか？」
「あいつに、貴方の左手をワニの餌にされたから……って言われてるわね。」
「その通りだ。だがそれは結果の話だ。そもそもなぜそんなことになったかは知ってるか？」
「それは……いつものようにあいつと戦って……あれ？」
「……。」
「そうね。そうよ。左手を無くす前なら戦っていた理由がわからないわ。何故貴方はピーターパンと戦ったの？」
「……同じさ。」
「え？」
「今の状況と同じだ。俺もヤツと喧嘩したんだ。その、思想の違いってのでな。」
「……まさか。」
「俺も昔はロストボーイだったんだよ。」
「！！」
「ピーターとは、かつて友達だったんだ。今じゃヘドが出るがな。だがある時大人になるべきだと言ったら、アイツは俺を殺そうとしてきた。」
「……。」
「その時に左手を失ったんだ。そして同時に気付いた。アイツの異常性に。」
そう言うと、フックはセーレに背を向ける。
「来い。良いものを見せてやる。」
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鏡の使い - マナさん» ありがとうございます！そう言って頂けるととても励みになります！頑張りますので、最後まで楽しんで読んで頂けたら幸いです！ (2020年9月1日 3時) (
レス) id: 2239b72fc2 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - ものすごく面白いです…！物語の構成がしっかりしてて読みやすく続きが気になる話でした！！これからも応援してます！頑張ってください！ (2020年9月1日 0時) (レス) id: da5e25c6ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡の精 | 作成日時：2020年8月26日 14時
